年が明けて、いよいよ開幕に向けて準備が本格化していくスーパーGT。特にGT500クラスは3メーカーが揃ってマシンを変更するため、例年以上に念入りな準備が必要。同時に気になってくるのはドライバー体制なのだが、早くもホンダが東京オートサロンで体制発表を行い5チームの布陣が明らかに。残る2チームはどうなのか?今年のマシンは現時点でどこが速いのか?東京オートサロンの取材で少しずつ見えてきた予想ラインナップをご紹介していく。

©︎Tomohiro Yoshita

異例?例年より1ヶ月早く体制発表、プロジェクトリーダーも変更し体制一新

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まずはホンダ勢。すでにドライバーズラインナップは報じられているが、改めて今季の布陣はこのようになる。

No.8 ARTA(タイヤ:ブリヂストン)

野尻智紀/小林崇志

No.16TEAM無限(タイヤ:ヨコハマ)

武藤英紀/中嶋大祐

No.17 KEIHIN REAL RACING(タイヤ:ブリヂストン)

塚越広大/小暮卓史

No.64 EPSON NAKAJIMA RACING(タイヤ:ダンロップ)

ベルトラン・バケット/松浦孝亮

No.100 TEAM KUNIMITSU

山本尚貴/伊沢拓也

まず17号車と100号車は現状のコンビネーションとマシンが変わることも踏まえて、そのまま継続。久しぶりにGT500に復帰する16号車TEAM無限は昨年12月に発表した通り、武藤と大祐のコンビ。彼らは2012年にGT300でCR-Z GTのデビューレースで組んでいる経験もある。

武藤の昨年の活躍と、ここ数年顕著に見られる大祐の成長もあり、いきなりダークホース的存在になってもおかしくなさそうだ。64号車も昨年末に発表を済ませており、松浦が加入する。

そして注目なのがARTA。野尻はそのままで、新パートナーとして小林がGT500に復帰する。

HSV-010時代の頃はGT500で戦い、特に第3ドライバーとしてデビューした2010年の第6戦鈴鹿では、いきなり予選を任されるが力強い走りを見せポールポジション獲得。決勝での優勝に貢献した。

ここ数年はGT300で参戦していたが、抜群の判断力と勝負どころでのアグレッシブさは群を抜いており、それが決め手で同クラスでも勝利を重ねてきた。

野尻もここ数戦は着実に勢いをつけており、2人が組む今シーズンはかなり期待できそうだ。

昨年はシーズン0勝と大苦戦したホンダ勢。状況を少しでも好転させるべくマシン開発の拠点であるホンダGTプロジェクトの体制を見直し、プロジェクトリーダーには佐伯昌浩氏が就任することになった。

佐伯氏は昨年までスーパーフォーミュラのプロジェクトリーダーを務め、特にエンジン面ではドライバビリティの向上など、パフォーマンスアップを着実に行ってきた。今年からGTも担当し、さらにマシン開発へ拍車がかかっていきそうだ。

 

注目ルーキー牧野任祐は?

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このラインナップを見たときに、一つ疑問がでてくるのが、牧野任祐の去就だ。

昨年第7戦タイでオリバー・ターベイに代わってドラゴ・モデューロNSX CONCEPT-GTからデビュー。GT500マシンを初めてドライブしたにも関わらず、予選では2番手を獲得。そのまま決勝でもルーキーとは思えない落ち着いた走りを見せ2位表彰台を獲得した。

道上監督率いるドラゴ・モデューロ・ホンダ・レーシングは参戦終了とはなったが引き続きGT500のどこかのチームで参戦。先述の状況を考えるとARTAに入るのではないかと思われていた。

しかし、実際にフタを開けてみると彼の名前はない。さらに昨年参戦していた全日本F3も年末に行われた合同テストは不参加だった。

一体どこへ行くのだろうか?

あくまで噂レベルの話ではあるが、どうも海外のレースへ参戦する方向で話が進んでいっている模様。

それがGP2なのか、GP3なのか、ユーロF3なのかは定かではない。ただ、あれだけの実力を持っていながらGT500に乗らないということは、それなりに何か意味がありそうだ。

残るはレクサス(トヨタ)と日産の体制。こちらも着々と詳細が見え始めてきた。