BMW 318i

出典:http://d.hatena.ne.jp/M-Team/
JTCC開催にあたって大きな目玉となったのが、BMWのワークス活動を担っていたシュニッツァーチームの参戦です。
2年連続で繰り広げられた関谷正徳選手(トムス)VSスティーブ・ソパー選手(BMWシュニッツァー)の熱いタイトル争いは、JTCC創成期を語る上で欠かせないストーリーとなっています。
結果、1994年は関谷選手、1995年はソパー選手がそれぞれタイトルを獲得。
さらに各年のマカオグランプリでもお互いにタイトルを分け合うという完全互角の戦いを繰り広げ、当時のファンはその手に汗握る勝負の行方に大熱狂しました!
他車の多くがFFレイアウトを採用する中、ソパー選手が駆るBMW 318iはFRレイアウトの後輪駆動という事で、スタンディングスタート時に圧倒的アドバンテージを持っています。
搭載される2リッター直列4気筒エンジンはレブリミット寸前の8300回転で285馬力を発生。
FRレイアウトを活かしたコーナリングにも定評があり、クラス2規定を採用していた世界中のツーリングカーレースで大活躍するマシンへと成長していきました。
Opel Vectra (Vaxhall Cavalier)

出典:http://www.hks-global.com/
ボクスホール・カバリエとして既にBTCCで輝かしい戦績を残していたベクトラ。
その実力に目を付けたのが、グループAやドラッグレースでR32 GT-Rを走らせていたHKSである。
JTCC投入時点でいち早くリバースヘッドエンジンを搭載しており、その高い戦闘力を武器にアンソニー・リード選手が開幕2連勝を飾ります。
1994年最終戦では車名をカバリエからオペル・ベクトラに変更。
2リッター直列4気筒エンジンは最終的に300馬力を発生するに至りましたが、2年目以降は目立った戦績を残すことが出来ず、戦闘力を増した日本車勢に後れを取ってしまいます。
1996年には長谷見昌弘選手もドライブしていたり、1997年にはまだ若手だった飯田章選手もベクトラのステアリングを握っています。
CONTENTS
究極のセダンバトルに彩りを添えた個性あふれる珍車たち!
Mazda Lantis

出典:http://www.astinagt.com/
「ミスター ル・マン」こと寺田陽次郎選手のドライブでJTCC初年度から参戦したマツダ ランティス。
独自の2リッターV型6気筒エンジンを搭載したが、長らく量産車レースから遠ざかっていた事が影響してしまい、開発面において常にライバルから後れを取ってしまう形に・・・。
これはランティスの売りであったはずのV6エンジンがパワーこそ290馬力以上出ていたものの、他車の直4エンジンと比較して格段に重く、軽快さに欠けていた事が大きな要因として挙げられます。
しかしながら、レース参戦車のバリエーションを増やすといった点でランティスの存在は欠かせないものであり、コアなモータースポーツファンのマニア心をくすぐる名車だと言えるでしょう!
Toyota Sprinter Marino

出典:http://fouragent.narod.ru/
トヨタ系プライベーターが選んだ少数スポーツセダン「カローラ セレス」と「スプリンター マリノ」。
その内マリノは現代のスーパーGTでも活躍するレーシングプロジェクトバンドウによってJTCCに投入され、空力性能に優れたボディー形状を武器としてストレートスピードで勝負するスタイルを確立しました。
FFレイアウトである事に着目してフロントに18インチ、リヤに15インチという前後異径のタイヤサイズをチョイス。
特徴だらけの珍しいマシンとして善戦するも、ライバルの進化スピードに追従する事ができずに僅か2シーズンでJTCCを去る事になってしまいます。
エンジンはコロナやエクシブと同じ3S-GEを搭載し、なんと300馬力オーバーを発揮!
1995年には金石勝智選手もマリノをドライブしていました。
最近は街中でもなかなか目撃しなくなったレア車ですが、しっかりとJTCCにその足跡を残しています。
まとめ
グループAに代わるカテゴリーとして導入されたクラス2ツーリングカー規定は、わずか5年間で消滅してしまいます(欧州では10年程継続)。
レースを面白くしようと過剰なレギュレーション改定が行われた事で開発費が高騰。
当時は全日本GT選手権の人気が急上昇している最中でもあり、ホンダと日産の相次ぐ撤退を招いてしまいます。
開催側の思惑に反して、まさしく空中分解してしまったJTCC。
クラス2ツーリングカー規定はその後改良され、WTCCの世界的ブームを巻き起こしました。
まだ日本でのセダンレース復活の見込みは立っていませんが、またいつか4ドアセダンによる熱いドッグファイトを目の当たりにできる日が来る事を願いつつ、この記事を書き終えたいと思います。
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