1987年にGroupA規定の世界選手権(WTC)として産声を上げるも、運営面やレギュレーション面で問題が頻発し、たったの1年で幕を閉じた世界ツーリングカー選手権。2005年に再び世界選手権のタイトルとして始まり、現在のWTCCがあります。世界屈指の「喧嘩レース」「格闘技レース」とも揶揄されるWTCCは、日本でも開催され人気を集めています。
今回はそんなWTCCがどんなレースなのかご紹介します。
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WTCCとは
https://www.youtube.com/watch?v=utVEL79Z7UI
「World Touring Car Championship」の頭文字を取って、WTCCと呼ばれているこのレース。
現在は主に4ドアセダンの車両によって争われており、駆動方式も全車が前輪駆動となっています。
また、GTやF1と違い、タイヤ交換などの必要がないスプリントレースであるため、コースの至る所でオーバーテイクが発生するといったエキサイトした展開も魅力のひとつです。
それでは、次の項目で主な参戦車両をみていきましょう!
2016年 参戦しているメーカー及び車種
欧州車に混じって、日本勢としてHonda Civicが参戦してることはご存知でしたか??
Honda CIVIC WTCC
ベース車両はCivic TypeR(FK2)
駆動方式:FF
2013年にシリーズを制しているHonda。
「勝つために」と、公言して投入されたCivic TypeRで勝利をもぎ取って欲しいですね!!
CITROEN C-Elysee WTCC
ベース車両はC-Elysee(シーエリーゼ)
駆動方式:FF
2014,2015年とシリーズ連覇をしているCITROEN。
今年もJose Maria Lopez(ホセ・マリア・ロペス)がドライバーランキング首位を独走中です。
Lada Vesta TC1
ベース車両はVesta(ベスタ)
駆動方式:FF
日本ではあまり知られていないロシアメーカーのLada(ラーダ)。
WTCC現役最年長Gabriele Tarquini(ガブリエル・タルクィーニ)を擁す手強いチームです。
Chevrolet RML CRUZE
ベース車両はCRUZE(クルーズ)
駆動方式:FF
かつてはマニュファクチャラー3連覇と最速の称号を欲しいままにしたCRUZE。
2012年にワークスとしては撤退したものの、プライベーターチームとして参戦しています。
VOLVO S60 Polestar TC1
ベース車両はS60
駆動方式:FF
2016年よりPolestar Cyan Racing(ポールスターシアンレーシング)のもと参戦を開始しました。
2015年までにSTCC(スカンジナビアンツーリングカー選手権)でドライバータイトルとチームタイトルのダブルタイトルを3連覇したシアンレーシング。
WTCCではその実力を発揮できるでしょうか??
車両レギュレーション
各車両は、FIAのスーパ−2000規定をもとに改造範囲を厳しく制限されています。
この規定では、改造範囲の他に車両規定が細かく設けられ、ざっくり言うと2,500台以上生産、販売された4座席以上の車両であること。
また、販売価格が2000万円以下であることなど、非常に細かく取り決めされているほか、なんとABSなどの電子デバイスの使用が禁止されています。
この規定こそが、ドライバーにも非常に高い技術が求められ、よりおもしろいレースが見られる重要なポイントとなっているということです。
あわせて、GTでもおなじみの重量ハンディキャップ方式を用いることにより、毎戦熾烈なバトルが繰り広げられています。
エンジンは2011年以降、1.6リッター直噴ターボエンジンの搭載が義務付けられているほか、タイヤは日本のヨコハマタイヤのワンメイクとなっております。
レースの流れ
レースウィークは基本的に2日間で、1日目の予選はエントリー全車両で行われる「Q1」と、「Q1」の上位12台で行われる「Q2」が行われます。
2日目の決勝レースは2レース制で行われ、オープニングとなるレース1は、Q2の上位10台がリバースグリッドで行われ、予選結果通りのグリッドレースはレース1後のメインレース(レース2)で行われます。
過去にはレース1の結果から、上位8台をリバースグリッドにしてレース2を行っていた時期もありましたが、現在は先にリバースグリッドのレースが行われているようです。
これによって戦略で順位が操作されそうですが、Q2の上位5台にポイントが加算されることもあり、どのチームも三味線を引くことなく予選に挑むようにできていることも大きな特徴です。
見どころ
やはりWTCCの見どころ言えば、手に汗握る接近戦とスプリントならではの意地っぱりなレースが魅力です!!
特にレース1は予選Q2結果の上位10台がリバースグリッドとなるため、直後にレース2を控えていながらも速さが入り混じった激戦が繰り広げられます。
ホイールトゥホイールは当たり前、軽い接触は普通でしょ??といったバチバチのレースが展開が非常に魅力的であり、このレース一番の見どころ!
過去のWTCCはBMW(FR)の参戦もあったため、ローリングスタートが実施されていたこともありましたが、近年はレース1レース2ともにスタンディングスタートとなっており、シグナルブラックアウトからチェッカーフラッグが振られるまで、息つく暇のないバトルが行われます。
2016年スケジュール
開幕戦 Race of France(ポール・リカール) 4/1-3
第2戦 Race of Slovakia(スロバキアリンク) 4/15-17
第3戦 Race of Hungary(ハンガロリンク) 4/22-24
第4戦 Race of Morocco(マラケシュ) 5/6-8
第5戦 Race of Germany(ニュルブルクリンク北コース) 5/26-28
第6戦 Race of Russia(モスクワ・レースウェイ) 6/10-12
第7戦 Race of Portugal(ヴィラ・レアル) 6/24-26
第8戦 Race of Argentina(テルマス・デ・リオ・オンド) 8/6-7
第9戦 Race of Japan(ツインリンクもてぎ) 9/3-4
第10戦 Race of China(上海インターナショナル・サーキット) 9/24-25
第11戦 Race of Thailand(ブリーラム) 11/5-6
最終戦 Race of Qatar(ロサイル・インターナショナル・サーキット) 11/24-25
全12戦 24レース
まとめ
いかがだったでしょうか??
世界選手権にしてFFツーリングカー最速を決めるWTCC。
究極の負けず嫌い選手権とも言えるような、ドライバーの闘争心剥き出しのレースです。
9月にはツインリンク茂木で日本ラウンドも開催されますので是非足を運んでみてはいかがでしょうか??
SUPER GTやスーパー耐久とはまた違った色のレースが楽しめること間違い無しです!!
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