2017年シーズンのMotoGPでルーキーオブザイヤーを獲得したヨハン・ザルコ。ヤマハのサテライトチームからの参戦でありながらワークスマシンに絡むレースを見せ、シーズン終盤にはロッシやビニャーレスより上位で終える事も多く、まさにダークフォース的存在となりました。そんなヨハン・ザルコとは、いったいどんなライダーなのでしょうか。

 

2017 ヨハン・ザルコ

出典:https://race.yamaha-motor.co.jp/motogp/2017/rd14/

 

 

ヨハン・ザルコとは

 

2017 ヨハン・ザルコ

©2016 Dorna Sports SL. All rights reserved.

 

ヨハン・ザルコ (Johann Zarco)はフランス出身のレーシングライダーで、1990年7月16日生まれの現在27歳です。

2017年シーズンはモンスター ヤマハ テック3からYZR-M1に乗り、MotoGPクラスへ参戦しています。

 

2017年開幕戦でトップ独走

2017年3月26日に行われたMotoGP開幕戦であるカタールGPで、ザルコはMotGPクラスデビュー戦にもかかわらず1周目からトップを走る健闘を見せました。

しかし7周目の2コーナー進入時に転倒し、残念ながら途中リタイヤとなってしまいましたが、MotoGPマシンでの初めてのレースでありながら、レース前半にワークスライダーよりも前を走ったことで、ザルコはその存在感を多くの人に印象付けたのです。

 

2017年シーズン6位を獲得しルーキーオブザイヤー獲得

ザルコの開幕戦は転倒リタイヤで終わりましたが、その後は全戦でポイントを獲得。

さらに2位が2回、3位が1回と表彰台に立つこともあり、終わってみればシーズン6位とルーキーオブザイヤーに輝くという偉業。

ルーキーで尚且つワークスマシンより劣るサテライトチームのマシンで、これほど好成績を収めたことに誰もが驚きました。

 

なぜヘルメットが大日本帝国陸軍・軍旗のデザインなのか

ザルコのヘルメットには、旧大日本帝国軍・軍旗のデザインが施されています。

客観的にあまり良くないイメージをされる方もいるかもしれませんが、それはさておき、なぜザルコが日本をイメージするヘルメットデザインを採用しているのでしょうか。

それは、ザルコの日本人ライダーへの尊敬を意味しているようです。

かつてザルコのコーチは1992年にGPメカニックをしており、当時125ccクラスで活躍した坂田和人、上田昇、若井伸之がすごく強い時代でした。

その当時の話をコーチから聞き、そこから日本人ライダーをリスペクトするようになり、ヘルメットのカラーリングを日本に由来するデザインに仕立てたそうです。

 

ヨハン・ザルコのこれまでの主な成績

 

2012 ヨハンザルコ

Photo by Andrew Napier

 

レッドブルMotoGPルーキーズカップ

シーズン クラス マシン シリーズ順位
2007 レッドブルMotoGPルーキーズカップ KTM RC125 1位

 

MotoGP

シーズン クラス マシン チーム シリーズ順位
2009 125cc アプリリア RSW125 WTRサンマリノチーム 20位
2010 125cc アプリリア RSW125 WTRサンマリノチーム 11位
2011 125cc デルビ RSA125 アバント エアアジア アジョ 2位
2012 Moto2 モトビ TSR2 JiR Moto2 10位
2013 Moto2 スッター MMX2 Ioda レーシング プロジェクト 9位
2014 Moto2 ケータハム・スッター MMX2 エア アジア ケータハム 9位
2015 Moto2 カレックス Moto2 アジョ モータースポーツ 1位
2016 Moto2 カレックス Moto2 アジョ モータースポーツ 1位
2017 MotoGP ヤマハ YZR-M1 モンスター ヤマハ テック3 6位

 

ヨハン・ザルコと生い立ち

 

2017 ヨハン・ザルコ

出典:https://race.yamaha-motor.co.jp/motogp/2017/rd13/

 

ザルコは10歳くらいからバイクに乗りはじめ、13歳からレースに参戦を開始します。

当時、フランスではバイクレースはマイナースポーツで、ザルコが住んでいた南フランスにはポケットバイクのレースがありませんでした。

しかし、レースに真剣に取り組みたいと考えていたザルコは、16歳の時に50ccのスクーターに乗り、150マイルを旅して、彼の指導者でありマネージャーであるLaurent Fellonの元へ行き、そこの家族と住むために引っ越しまでしたのです。

そして、2005年にシニア・ミニバイク・ヨーロッパチャンピオンシップで準優勝、2006年にヨーロッパ・オープン・チャンピオンシップで優勝しました。

その翌年、2007年に若手レーサーがイコールコンディションのマシンで競うレッドブルMotoGPルーキーズカップが開始され、ザルコは初代シリーズチャンピオンを獲得したのです。

その後2009年にMotoGPの125ccクラスへフル参戦を果たし、3年間125ccクラスでレースを行いシリーズランキングの最高位は2位となり、2012年からMoto2クラスへステップアップ。

初年度は日本のレーシングチームTSR製のマシン「モトビ」に乗り、年間ランキング10位でルーキーオブザイヤーに輝きました。

そして2015年と2016年にドイツのチーム「カヤックス」から参戦し、2年連続タイトルを獲得。

2017年から最高峰クラスであるMotoGPクラスにステップアップし、ヤマハ系のサテライトチーム「モンスター・ヤマハ・テック3」から参戦。

ワークスよりも1年落ちとなるヤマハYZR-M1でのレースとなりましたが、ワークスライダーよりも上位でフィニッシュすることもあり、MotoGP関係者や多くのファンを驚かせました。

 

サンマリノGPでガス欠からマシンを押してゴール

 

2017 ヨハン・ザルコ

©2016 Dorna Sports SL. All rights reserved.

 

2017年MotoGPのサンマリノGPで、ザルコは最終ラップ7番手につけていましたが、途中でガス欠となり最終コーナーでマシンがストップしてしてしまいす。

しかし、ザルコはマシンを降りて重いマシンを押しながらゴールラインに向けて走り出し、後続車にどんどん抜かれながらもザルコは諦めることなく、フィニッシュラインを横切り、チェッカーを受けた時にはメインスタンドから大きな歓声が上がりました。

結果15位にまで順位を落としたものの1ポイントを獲得。

シーズンを終えてみれば18戦中17戦でポイントを獲得しており、ほぼすべてのレースでポイント獲得と安定した結果を生み出しました。

この、最後まであきらめないスピリッツも、ザルコの安定した速さに繋がっているのではないでしょうか。

 

まとめ

 

2017 ヨハン・ザルコ

出典:https://race.yamaha-motor.co.jp/motogp/2017/rd16/

 

ザルコは2018年シーズンもモンスター・ヤマハ・テック3から参戦し、1年型落ちの2017年型YZR-M1に乗る予定となっています。

そして、昨年も1年落ちの2016年型ヤマハYZR-M1で戦いながら、ワークスマシンより上位でフィニッシュできたことについて次のように述べました。

「僕は将来、ファクトリーのバイクが欲しい。だから、今回のように力強いレースをして、彼らの前でフィニッシュできれば、自分が将来ワークス入りするのにふさわしいことを示す事になる。」

出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170816-00010001-msportcom-moto

ザルコは自らのワークス入りを強く望んでおり、一部のメディアからは、ヤマハワークスで走る38歳のバレンティーノ・ロッシが2018年末にもし引退すれば、2019年はザルコがロッシに代わってヤマハワークス入りをするのではないかと噂されています。

しかし、ザルコ自身はフランスの新聞社「L’Equipe」のインタビューの中で「何れにしても、僕のキャリアはバレンティーノの決断には左右されない。」と言及し、さらにKTMワークスやスズキワークスもザルコをライダーとしてほしがっているという情報もあるため、2019年以降の動向が注目されます。

2018年シーズンの活躍と2019年の行方などなど、期待いっぱいのザルコからは当分目が離せません。

 

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