我々の度肝を抜くライディングを見せてくれるトライアル競技において、昨今電動バイクが持ち込まれるようになりました。ヤマハも新型の電動トライアルバイク TY-Eを世界選手権に持ち込み、世界を相手に奮闘!ランキングは2位を獲得するなど、参戦初年度でいきなりチャンピオンへあと一歩のところまで迫る好成績を記録しています。

 

© Yamaha Motor Co., Ltd.

 

ヤマハがトライアルEクラスで世界ランキング2位獲得

 

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2st(2ストロークエンジン)は絶滅危惧種になりつつあるなか、トライアル競技において2stバイクはまだまだ現役です。

また、イタリアの名門オフロードバイクメーカー『GasGas(ガスガス)』は、自社製トライアルバイクに2stエンジンを搭載しています。

競技車両とはいえ2stエンジンをまだ搭載していると知れば、トライアル競技はエコロジカルなモータースポーツとは疎遠と感じるかもしれませんが、そうではありません。

トライアル競技の最高峰『FIMトライアル世界選手権』は、2017年シーズンから電動バイクのみで争われる『TRIAL E クラス』を創設。

他のモーターサイクルスポーツに比べれば、比較的早い段階で電動バイクを導入しました。

また、ヤマハはFIMトライアル世界選手権TRIAL E クラスにファクトリーチーム体制で参戦。

新型電動トライアルバイク『TY-E』を導入しています。

『TY-E』を駆るは2017年全日本選手権国際A級スーパークラス ランキング2位の経歴を持つ黒山健一(くろやまけんいち)選手。

国内バイク4メーカーのうち、電動トライアルバイクを送り出したのはヤマハが初で、黒山選手は参戦初年度にいきなりシリーズランキング2位を獲得しました!

この2位という結果も、ポイントランキングが同率1位の場合、最終戦の成績が重視されるレギュレーションによる結果であるため、実質上、黒山選手はトップと同じレベルであり、ヤマハは電動トライアルバイクにおいて世界を牽引する存在となったわけです。

ちなみに、1位になったのは冒頭で紹介したGasGasでした。

競技用バイクに2stを主力とするメーカーでありながら、新設された電動バイクでもトップメーカーとなり、ヤマハ最大のライバルとなったわけです。

 

ヤマハ・TY-Eとは

 

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ヤマハはTY-Eを今年(2018年)3月23日に行われた東京モーターサイクルショーで初出展しました。

そんなTY-Eは、ヤマハ内の研究開発統括部にて行われる業務時間の5%を自発的・自律的な活動ができる機会とする活動『Evolving R&D』から生み出され、EVの弱点とされる小型軽量化と操作性の向上を追求。

その結果、『コンポーネントの高出力小型軽量化』と『意のままに操れる運転のし易さ』を目標に、小型軽量化とライダーの手の足のように操作性が求められる競技用トライアルバイクの開発に着手し、生み出されました。

そしてライダーを務める黒山健一選手は全日本トライアル選手権に、ヤマハファクトリーマシン TYS250Fiで参戦しています。

ちなみにTY-EとTYS250Fiの車体デジメンションや足回りは共通ですが、専用のカーボンモノコックフレームは専用に開発され、小型リチウムイオンバッテリーを収納。

フロントフォーク上下のブラケットや前後フェンダー、左右モーターカバーには窒化ケイ素セラミックスを塗るSixONy(シクソニィ)ナノ膜コーティングがなされ、ヤマハファクトリーマシンらしいブルーが施されています。

また、通常のトライアル競技用バイクと同様に車体はスリム化され、車体重量は70kg以下。

低回転から高回転域までスムーズにパワーが出る高出力モーターは、トライアル競技においてガソリンエンジンと同等に最適なパワートレインかもしれません。

 

ヤマハTY-Eのスペック

 

ヤマハ・TY-E
全長×全幅×全高(mm) 2,003×830×1,130
軸間距離(mm) 1,310
最低地上高(mm) 350
車両重量(kg) 70以下
原動機種類 交流同期電動機
駆動用バッテリー種類 リチウムイオン電池
クラッチ形式 油圧,湿式,多板
フレーム形式 CFRPモノコック

 

電動バイクの最先端モーターサイクルスポーツ、世界トライアル選手権トライアルEクラスとは

 

FIM TrialE Cup

FIM TrialE Cup / 出典:http://www.fim-live.com/en/article/triale-charged-and-ready/

 

MotoGPでは2019年シーズンからEVクラスが導入される予定ですが、FIMトライアル世界選手権では昨年から一足早くEVクラスが開催されました。

そして今年は第5戦フランスGP(7月14・15日)、第6戦ベルギーGP(7月21・22日)でトライアルE(Electric)クラスが行われ、参戦マシンはヤマハやGasGas以外に、『ELECTRIC MOTION』、『Mecatecno』、『ON Racing Trial-E』など電動バイクを主力とする新興メーカーも名を連ねています。

 

2018年シーズンFIMトライアル世界選手権トライアルEクラスの結果

ランキング ライダー 国籍 第1戦 第2戦 総ポイント数
1位 Loris GUBIAN フランス 17 20 37
2位 黒山健一 日本 20 17 37
3位 Christophe BRUAND フランス 15 13 28
4位 Joan CORDON スペイン 9 15 24
5位 Bastien HIEYTE フランス 13 9 22
6位 David OLIVER BLASCO スペイン 10 10 20
7位 Jerome DELAIR フランス 11 8 19
8位 成田匠 日本 11 11

 

まとめ

 

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2019年シーズンのトライアルEクラスについて、ヤマハの参戦はまだ公式に発表されていませんが、継続参戦する可能性は十分考えられます。

また、今年はトライアルEクラスには出場しませんでしたが、FIMトライアル世界選手権ではホンダワークスチーム Repsol Honda Teamも現在11シーズン連覇中のトニー・ボウ選手を有する古豪でありますので、来シーズンこそはホンダが参戦する可能性も大いにあるのではないでしょうか。

早ければ、2019年シーズンにもFIMトライアル世界選手権トライアルEクラスでホンダとヤマハの争いが見られるかもしれません。

電動バイクの最先端を行くトライアルEクラスに、これからも大注目です!!

 

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