ロードレースの名門チーム、『ヨシムラスズキMOTULレーシング』から全日本ロードレース選手権 JSB1000クラスに参戦中の#26 渡辺一樹選手が、ミニバイクコースでのライディングスクールを開催。バイクに乗る上で参加者と同じ悩みを持っている人は多いはず!という事で、現役のトップレーシングライダーにその解決法を聞いてきました。

 

©ChikaSakikawa

 

KW26RidingSchool主催の渡辺一樹選手ってどんな人?

 

©ChikaSakikawa

 

プロフィール


名前:渡辺 一樹 (Kazuki Watanabe)

生年月日 : 1990.10.2

血液型 : O型

出身地 :山梨県

身長 : 170cm

体重: 68kg

参戦カテゴリー:全日本ロードレース選手権 JSB1000

所属チーム: ヨシムラスズキMOTULレーシング

 

レース戦歴


全日本ロードレース選手権(J-GP2)

2012年:RS-ITOH & ASIA (KAWASAKI ZX-6R) ランキング1位

全日本ロードレース選手権(JSB1000)

2013年:Team GREEN (KAWASAKI ZX-10R) ランキング7位

2014年:Team GREEN(KAWASAKI ZX-10R) ランキング7位

2015年:Team GREEN(KAWASAKI ZX-10R) ランキング3位

2016年:Team GREEN(KAWASAKI ZX-10R) ランキング6位

2018年:ヨシムラスズキMOTULレーシング(SUZUKI・GSX-R1000) 参戦中

スーパースポーツ世界選手権(WSS)

2017年:Team Go Eleven Kawasaki (KAWASAKI・ZX-6R)

鈴鹿8耐

2014年  Team GREEN (KAWASAKI ZX-10R/柳川明/藤原克昭) 12位
2015年 Team GREEN (KAWASAKI ZX-10R/柳川明/ハジ・アハマッド・ユディスティラ)  9位
2016年 GREEN (KAWASAKI ZX-10R/柳川明/レオン・ハスラム)   2位

2018年 S-PULSE DREAM RACING IAI(SUZUKI GSX-R 1000/生形秀之/トミー・ブライドウェル) 4位

全日本ロードレース選手権 J-GP2クラスでシリーズチャンピオンを手にした事をきっかけに、KawasakiのワークスチームであるTeam GREENへの加入や、スーパースポーツ世界選手権へのフル参戦など、常にロードレースの第一線で活躍。

今季はロードレース界を牽引する老舗名門チーム、ヨシムラスズキMOTULレーシングから、全日本ロードレース選手権 JSB1000クラスにフル参戦しています。

そんな現役トップライダーから、ライディングのアドバイスがもらえるKW26 Riding Schoolに参加したライダー達は、いったいどんな悩みを持ち、どういうアドバイスをもらったのでしょうか。実際に聞いてきました。

 

スクールのタイムスケジュールはこんな感じ

 

 

ライディングスクールの開催場所は渡辺選手が幼い頃から走り込んできた、静岡県にあるミニバイクコース、白糸スピードランド(〒418-0112 静岡県富士宮市北山7429-7)。

当日は、参加者のレベルに応じたクラス分けが行われ、1人1人が持つライディングの悩みを解決。

ただ速く走るだけでなく、バイクに乗る事がより楽しくなるようなアドバイスができる内容を目指して企画したそうです。

 

ライディングのお悩み解決!渡辺選手にQ&A

【参加者に聞いた】解決したかったライディングの悩みはなんですか?

©ChikaSakikawa

 

Q1 .サーキットでのタイムアップを目指す時に、まず心がけるポイント・注意するポイントはありますか?(バイク歴7年・サーキット歴6年・YZF-R1M)

 

A.小排気量、大排気量問わず「いかに1周の中で全開時間を長く出来るか」を考える。 (ブレーキングを遅らせてという意味では無いです。)

 

Q2. 右コーナーへの苦手意識を無くす方法はありますか?(バイク歴34年・サーキット歴30年・CBR250RR)

A.自分も苦手です(笑)。 ただ左右で差があるというのは何かしら左右で違う事をしている方が多いです。ステップワークだったりハンドルバーの握りだったり、はたまた視線の送り方でも変わります。左右で何が違うのかを自分で見つけて修正していくと良いと思います。

 

Q3.サーキットを走る上で荷重移動をする際に、気を付けるポイントはありますか?(バイク歴5年・サーキット歴2年・ZX-6R)

 

A.どういった場面での荷重移動なのかにもよりますが、基本的にグリップの限界を使うサーキットでは雪道での運転と同じく『急』の付く動作は禁物です。急な動作で縮めれた前後に付くスプリングは伸びようとし、転倒の多くもそういった場面で起こります。体重計の上で軽く跳ねるのをイメージしてもらって、なるべく鋭く急な数字の変化を避けましょう。

 

©ChikaSakikawa

 

Q4.ライディングを上達させるための、おススメの練習法はありますか?(バイク歴6年・サーキット歴3年・NSR50)

 

A.自分に足りない部分を考え課題を持ち、何よりたくさん乗ってください。

 

Q5.コーナリング中の基本の姿勢を教えてください。(バイク歴3年・サーキット歴3回・MT-07)

 

A.下半身で支える事を基本に自分の乗りやすいように、なんていうと何のアドバイスにもなりませんが、自分は過去まだ乗り方がよく分からない時に色んな上手な人の真似をしていました。見た目だけでも、自分のイメージだけでも真似してみると、ふと「コレ良いかも」っていうのが見つかると思います。

 

Q6.ブレーキング時に意識するポイント、注意するポイントを教えてください。(バイク歴10年・サーキット歴3年・ZX-10R)

 

A.意識としてはフロントフォークの動き、タイヤの潰れ具合を頭の中でイメージ出来るように。バイクが嫌がる場面をしっかり感じ取って、一度感じた部分にはそれ以上踏み入れないこと。

 

【参加者に聞いた】今回参加してみて、新たに出てきたライディングの悩みは?

©ChikaSakikawa

 

Q1.初めてサーキットを走る時のライン取りの考え方を教えてください。

 

A.一番シンプルな方法は上手な人を探して真似する事ですが、初めてのコースはコース内のどこを自分が走っているのか分からなくなりがちです。アウトインアウトを意識してなるべく緩いRが取れる楽なラインを見つけてからペースをあげましょう。

 

白糸スピードランド コース図

 

Q2.6番(S字)の進入が難しい。

白糸スピードランドの6コーナー進入時に意識するポイントを教えてください。

 

A.今回のスクールでも多かったのが6,7コーナーにかけて、「右、左、右」とそれぞれコーナーリングしている方でした。このコーナーに関しては、6コーナーのクリッピングポイントから7コーナーのクリッピングポイントを直線的に走り「右、バイクを起こし、また右」と6と7の間はバイクを減速させる事に集中します。またそれぞれしっかりとクリッピングポイントを取ることも重要です。

 

Q3.大きなサーキットでは走れるのに、白糸のようなミニサーキットになるとインフィールドが難しい。

大きなサーキットとミニバイクコースの走り方の違いを教えてください。

 

A.リッター(排気量1000㏄超えの)SS(スーパースポーツモデル)の様なバイクはミニバイクコースが苦手で、文字通りミニバイクコースはミニバイクが得意です。 コーナーのRが小さいためスピードを乗せバイクを寝かして曲がるより、しっかり止めてハンドルを切って曲がる。どちらかというとジムカーナのイメージが近くなってくるかもしれません。

 

©ChikaSakikawa

Q4.メリハリを付けた走り方ができない。

サーキットを走行する際のメリハリで、意識するポイントはありますか?

 

A.減速、旋回、加速とこの三つの要素をしっかり行うだけでメリハリは生まれてくると思います。そのためにはコース上のどこで何をするのか、しっかりイメージできる必要があると思います。

 

Q5.10番・11番のコーナーなど、ブレーキしながらの左コーナーへの進入が難しい。連続する左コーナーの進入で、意識するポイントはありますか?

 

A.白糸のコースの中で10、11コーナーはもっとも重要と言えます。それは高速コーナーである事と、その先にコースの中で最も長いストレートがあるからです。こういった連続するコーナーでは必ず最後の場面、つまり立ち上がりを意識します。複数のコーナーとして考えず、いかに速いスピードで立ち上がれるかが重要なので、あまり侵入スピードをあげ過ぎず、なるべく早くスロットルを開けられる様にしましょう。

 

まとめ

 

©ChikaSakikawa

 

世界を経験し、日本のトップライダーの1人として戦い続けるレーシングライダー渡辺一樹。

そんなプロのライダーにも、もちろん初心者の時期はありました。

その当時のエピソードを交えつつも、分かりやすく丁寧に質問に答えてくれた渡辺選手が主催するKW26 Riding Schoolの参加者は、サーキット初心者から上級者までレベルは様々。

しかし、渡辺選手自身が1人1人の走りを細かくチェックし、各レベルに合ったアドバイスで参加者の走りがみるみる上達していく姿が印象的でした。

 

生形秀之選手 / ©ChikaSakikawa

 

また今回はゲスト講師として、同じく全日本ロードレース選手権JSB1000クラスにS-PULSE DREAM RACING IAIから参戦中の生形 秀之選手も参加しており、日本の最高峰で戦うレーシングライダー2人体制での指導が受けるという豪華すぎる内容。

休憩時間には練習用バイクでのエキシビション走行が見れたり、レースでの裏話を聞く事ができたりと、レッスン以外にも楽しめる内容が盛りだくさん!!

 

©ChikaSakikawa

 

実際に参加者のマシンに乗ってのセッティングアドバイスや、プロカメラマンによる走行写真のプレゼントなど、あったらいいなと思うサービスも多数用意されていて、参加者の立場に立ったライディングスクールとなっていました。

今回は初開催という事で次回の日程は未定ですが、是非続けていきたいとの事なので、気になった方は渡辺一樹選手のSNSなどをチェックしてみてくださいね!

渡辺一樹選手 公式Twitter:https://twitter.com/kazuki__26

 

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