現在、数十台のみの超少数限定生産によるハイパーカーの開発競争が、欧州で繰り広げられています。かつて日本でも「1台だけ」しか販売されなかった車が存在したことを知っていますか?ベースとなった車両は、日本を代表するスーパーカー、NSXです。SUPER GT参戦用のホモロゲーションマシンとして製造されたそのマシンは、「NSX-R GT」と呼ばれる究極のNSX限定車でした。
たった5台が製造され、販売されたのは1台のみ!
2005年の2月に、初代NSX最後の特別仕様車としてNSX-R GTは発表されました。
同モデルは通常の限定特別仕様車とは違い、販売による利益を得ることは目的ではなく、SUPER GTに参戦する為のホモロゲーションの取得が目的でした。
そして同年3月までの1ヶ月間に5台のみが製造され、実際に販売されたのはなんと1台のみ!
価格は5000万円と超高額ですが、なにしろワンオフに近い限定仕様車両であるため、実際にはこれでもギリギリの価格設定だそうです。
ベースとなったのはNSX-R
ベースとなった車両は「NSX-R」で、特別なエンジンチューンやサスペンション等のスペックアップは施されていません。
NSX-Rのエンジン自体の出力は280psに抑えられており、クランクシャフトの精度調整やピストン周りの重量バランスの見直しなどによるレスポンスの向上が図らました。
それでもNSX-R自体がかなりのハイスペックマシンであることに間違いはなく、標準仕様から100キロ以上の軽量化やエアアウトレットのついたボンネット、フロントスポイラーやリアディフューザー等の空力デバイスの追加等により、優れた操縦性能を持った和製スーパーカーとして今尚評価の高い1台です。
本物のGTマシンさながらのエクステリア
NSX-Rと比較して全長は180mm、全幅は90mmも拡大されており、その内訳はホモロゲ取得の為に追加されたエアロデバイスが占めています。
前後に大きく張り出したバンパーはカーボン製で、SUPER GTレベルのレースでの超高速域における安定性の向上に貢献するパーツです。
サイドに大きく張り出したエアインテークは、GT500クラスにおける車幅の規定をクリアするための追加装備であることがみてとれます。
リアハッチ上の「ちょんまげ」の機能は?
中でも最も目を引くのが、リアガラス上に取り付けられたエアインテークではないでしょうか。
実はこの部品、実際にはインテークとしての機能は無いダミーパーツで、正式名称は「リアハッチガーニッシュ」と呼ばれています。
要するに飾りと言ってしまえばそれまでなのですが、実際のSUPER GTではガラスを貫通したエア取り入れ口として機能していた事もあり、正にGTらしさを体現しているパーツであるとも言えるでしょう。
R-GTだけでなく、通常仕様にも純正オプションパーツとしてこの「リアハッチガーニッシュ」は販売されていた事からも、人気の高さが伺えます。
まとめ
2005年に「全日本GT選手権」から「SUPER GT」へと大会の名称が変更されたタイミングでベース車両がNSX-R GTへと変更され、2007年には2度目のGT500クラスチャンピオン獲得。
NSX・ホンダファンならば1度は見てみたいこのモデルを、街中で見ることが出来たらとてもラッキーなレアモデルであることは間違いないでしょう。
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