色々なカスタムがある中で、乗り味や使い勝手を大幅に変えることができるのが、ハンドルのポジション変更です。ではハンドルのポジション変更をすることで、どんな効果があるのでしょうか?現実的にはシート、ハンドル位置、ステップ位置との相関関係によって、ライディングに影響が出てくるのですが、その中でもハンドル位置に視点をおいて、簡単にご紹介していきます。
オートバイのハンドルは実際どのように使われているのか。
まずは、ハンドル変更の効果を明確にする為に、オートバイのハンドルの役割についてご説明します。
車と違い、オートバイは基本、サーキットやジムカーナなどの特別な状況下における特殊な用途を除いて、ハンドルを切って曲がることはありません。
荷重移動(実際には荷重入力)によってセルフステアリングを利用して曲がっていくのです。
では、ハンドルはどういう役割をもっているのでしょうか。
役割の1つとしては、体を支える役目があります。
実際コーナーリングの最中には、ほとんどハンドルに力をいれませんが、ハンドルが無いと特に前傾姿勢となるレーサーレプリカやSS系は体を支える事が難しくなってしまいます。
また加速時、減速時にも体を支える為に重要な役割を担います。
そしてもう1つは、姿勢を決めるという役割。
ハンドルの位置によって、乗車姿勢は大きく変わります。
その事によって荷重のかかる場所、シート位置、体の位置に大きな違いが生まれ、ライディングに大きな影響があるのです。
また、走行時の車両の姿勢を決める荷重をかける事も役割の一つ。
そして、停車時にオートバイを支える、転倒時にオートバイを引き起こすときにも使われます。
エンジンが止まっているときに、オートバイを押す、引く、そして転倒時にハンドルと、テール側のグリップなどを力点として引き起こす時に重要な場所となります。
ハンドルの具体的な効果かどうかは微妙ですが、ビジュアル的な事も挙げられると思います。
基本オートバイのハンドルの役割は、荷重入力を入れるポイント、姿勢を決める、体を支える、の3つのポイントと、ビジュアル的な役割があるのです。
高さの変化によっての効果
ハンドルを高くすることによって起きる効果は何かというと、一つは体が起きる事によって視点が高くなるため、視界が広くなる事です。
遠くを認識したり、周りを確認することが楽になるため、ネイキッドなど街中をメインに考えられた車両や、直線道路を楽に走る為に作られたアメリカンなどが比較的アップハンドルとなっています。
そして、ステップとシートへの荷重がメインとなるため、フロント周りへの荷重が減り、ステアリング操作が軽くできるようになるのです。
あえて小回りを利かせる為にハンドルを切って曲がるような、白バイやジムカーナの車両などはこの効果を狙ったものだと言えます。
逆にフロントへの荷重入力が難しくなり、荷重が抜けやすくなるため、レーサーレプリカやSSなどの高速でコーナリングをすることを考えられた車両は低めに設定されています。
そしてもう1つ!
体が起きるため、風の影響を受けやすくなります。
実際スピードを出せば出すほど、空気抵抗の影響は大きく、時速250km程度まではエンジンにパワーさえあれば出せると言われていますが、それ以上は空気が壁となってくるため、空力なくしてその壁を超えることはできません。
現実的には250kmを超える高速走行はサーキットやアウトバーンなど特殊な環境以外では出せませんが、時速100kmを超えた速度域で体を直立させて長い間走る事は、体力をかなり奪います。
その為、ハンドルを高くする場合には、高速時に風圧に対して体を支える事が重要な役割として出てくるのです。
前後の変化によっての効果
ハンドルを後ろ(ライダーから見て手前)寄りにすることによる効果は、体が後ろへ来るため、シートへの荷重が増えてきます。
単純に後ろにハンドルを持ってくることはあまりありませんが、体が伸びすぎて荷重移動がしづらい時などに、後ろ側に持ってくるようにする、もしくはリアのトラクションが抜けやすい時に、後ろにすることにより、自然とリアにトラクションがかかるようにするなどの効果が得られます。
しかし、逆を言えばコーナー立ち上がりや、アクセルを開けた時に、フロントの接地が薄くなるという影響が出る場合もあると言えます。
ハンドルの絞り角の変化によって得られる効果
ハンドルの絞り角を大きくすれば、ハンドルを動かす時の力が小さくても、大きく動かすことが可能です。
逆に絞り角を狭くすると、ハンドルを動かすのに力が必要となります。
オフロード車など、ハンドルにかかる力が大きな車両では、ハンドルの絞り角はほぼなく、ハンドルの長さも長いものとなってくるのです。
その為オートバイを押して動かす時などにも大きな影響があるので、女性など力がない人にとっては、広く長い方が扱いやすくなってきます。
また一般的に転倒したときなど、ハンドルが長い方が引き起こしの力が少なくて済むため、楽になるという効果もあるのです。
ビジュアル的な効果
これは機能とはあまり関係ないので、カッコよければいいかもしれませんが、やはりオートバイはある意味自己顕示欲を満たしてくれる乗り物です。
ハーレーなどのアメリカンタイプでは、とても高くて長いハンドルなどが好まれたりもします。
文化と言うのは面白いもので、暴走族などの鬼ハンと呼ばれるハンドルも、人とは違った道を行くという、自己顕示欲だったりするのかもしれません。
これは、機能とは関係ありませんが、見た目の面でもハンドルの変更は非常に有効な手段だと思います。
まとめ
ハンドルを交換することによる、オートバイへの影響はとても大きいものです。
ここに書いたものは基本的なものですが、本来はスロットル操作への影響や、ブレーキングやクラッチワークにもとても影響してきます。
本来、そのオートバイの性能をフルに発揮させるためには、ハンドル交換に伴って、ステップ位置の変更や、キャスター角、シート高などトータル的にバランスを取っていく必要があるのです。
そして、自分の使用用途に合わせて、簡単にそして楽にライディングするためには効果的な方法です。
その事によって起きる、メリット、デメリットをよく考えて交換すれば、納得した効果を得られるのは間違いありません。
ただ、ノーマルの車両と言うのは、とてもバランスの取れている汎用性の高い、非常に優秀な創りになっています。
そう言った、一つ一つの効果を考えながら、ハンドルを交換することをお勧めします。
そしてタンクへの干渉がおきたり、スロットルワイヤーなどのワイヤー類の交換なども必要となってくることが多いので、ぜひ、自分の乗車姿勢や、使用用途、メリットデメリット、を熟考して楽しんでくださいね。
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