スーパーカーと言えば真っ先にフェラーリを思い浮かべますよね。フェラーリと言っても様々なモデルや仕様の個体があります。そして、意外と知られていないのは、フェラーリはオーナーのために自分だけの一台を作っているということ。今回はその中でも顧客の要望によって造られた、世界に一台だけのフェラーリの数々を、モデルになった名車とともにご紹介します。
こだわりのフェラーリ、皆さんは知っていましたか?全てはオーナーの意のままに!
P4/5ピニンファリーナ
いかにもワンオフモデルというような洗練されたスタイリングを持つこのモデルは、元映画監督でカーコレクターのジェームス・グリッケンハウスによってピニンファリーナにオーダーされたワンオフモデルです。
全く面影はありませんが、「エンツォ」がベースとなって製作されました。
グリッケンハウス氏は一度購入した「エンツォ」をピニンファリーナに送り、1967年のルマンカーである「フェラーリ330P4」の復刻版として製作を依頼したモデルです。
結果的に「エンツォ」よりも200kgも軽量になったとか。
またグリッケンハウス氏はこの車に約3億5000万円を支払ったと言われています。
ベースとなった「エンツォ」も素晴らしいモデルですが、この「P4/5」は「330P4」の面影をしっかりと残しつつ近代フェラーリの核心を突くデザインに仕上がっているところに、ピニンファリーナとグリッケンハウス氏の素晴らしいセンスとフェラーリへの愛を感じられます。
SP1
2008年、フェラーリ社が自社工場で製作したモデルとしては実に半世紀ぶりに製作されたワンオフモデルです。
「SP1」というモデル名も「スペシャル・プロジェクト」の第一号車を意味しています。
そのオーナーはなんと日本人!
故エンツォ・フェラーリとも親交のあったというフェラーリクラブジャパン元会長の平松潤一郎氏によるオーダーです。
「SP1」は、「ディーノ」や「288GTO」、「F40」をも手がけたレオナルド・フィオラヴァンティ氏によってデザインされました。
ベースとなったモデルは「F430」です。
エンジンやコンポーネントはベースモデルと同様ですが、カーボンとアルミニウムから構成されるワンオフのボディは「F430」とは違った流麗なボディに仕上がっています。
どこかわびさびを感じることのできる、日本の美しさとフェラーリの美しさを見事に融合した粋なフェラーリですね。
P540 Superfast Aperta
「P540 Superfast Aperta」は、2009年にケーブルテレビを発明したジョン・ウォルソンの息子、エドワード・ウォルソンによるオーダーによって製作されたワンオフモデルです。
コンセプトとなったのは1967年に日本でも公開された映画「世にも怪奇な物語」に登場する主人公が乗るゴールデンフェラーリだと言われています。
ベースとなったモデルは「599GTBフィオラノ」ですが、ルーフを取り払い、シャーシーを直線的にするなど開発には14ヶ月もの月日が費やされました。
実際に「599GTBフィオラノ」からはかなりスマートになっている印象を受けます。
また、特徴的なサイドのエアインテークや派手過ぎない絶妙なゴールデンカラーが目を引く、ノスタルジックな雰囲気を持つフェラーリに仕上がっています。実にかっこいいです。
SUPERAMERICA 45
独特なブルーが目を引く「SUPERAMERICA 45」は、フェラーリコレクターとして有名なニューヨークの不動産王ピーター・カリコウによってオーダーされたワンオフモデルです。
自分のコレクションである1961年式「400スーパーアメリカ」をモチーフに製作されました。独特なブルーはその車譲りのもので、ホイールもブルーに施されています。
「599GTBフィオラノ」のロードスターモデル「SAアペルタ」がベースモデルとして使用されていますが、最も印象的なのは先代の550ベースのスーパーアメリカにも採用されたルーフの後方を支点にして、ルーフが180度回転するカーボンファイバー製の回転式ハードトップが採用されているところ。
他にも、アルミニウム製のAピーラーやクロム製のフロントグリルが独特なブルーのボディーを一層引き立たせています。
自分の所有するクラシックフェラーリを最新型で再現するという、この上ない贅沢ですね。羨ましい限りです。
まだまだあるこだわりのワンオフモデル。
次のページでは、ギターの神様エリッククラプトンのフェラーリも登場します!