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軽トールワゴンが流行していた2000年ごろ、Bクラスのコンパクトカーにもその波が押し寄せていました。トヨタは初代ヴィッツのコンポーネントを使用して、女性向けに欧州デザインのファンカーゴと男性向けにアメリカンデザインのbBの2種類のコンパクトトールワゴンを発売したのです。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BBbB
初代トヨタ bB誕生の背景

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1993年にスズキが発売したワゴンRは、日本で初めてトールワゴンのボディタイプを採用。
乗降性が良く、頭上空間に余裕があって狭さを感じさせないそのボディ形状は、軽自動車のデフォルトとなりました。
トールワゴンスタイルは小型車にも波及し、トヨタは初代ヴィッツのコンポーネントを使用して2台のワゴンを制作します。
それが女性向け欧州デザインのファンカーゴと、男性向けアメリカンデザインのbBでした。
初代bBは、アメリカではサイオン xBとして販売され、アメリカのジェネレーションY(’80年代〜’90年代中盤生まれの世代)にも人気となります。
初代bBがヒットした理由

Photo by Spr0k3t
初代bBはターゲットを当時のミレニアム世代の男性とし、彼らのカスタマイズ文化にも着目して開発されました。
運転しやすく、キャビンに十分な広さ
スクエアでボクシーな外観に室内空間も箱型で、有効活用できるスペースが豊富でした。
四角いボディは車体角の見切りもよく、運転しやすいうえに、ガラスエリアも広いため、周囲の交通状況も把握しやすいと評判になります。
また、室内も箱型なので、4人乗車でも頭上スペースに余裕があり窮屈さを感じさせず、ヤングファミリー層にも受け入れられました。
シートは前後フルフラットになるため、車中泊や休憩にも利用可能。
それでいてラゲッジフロアがフラットで、バックドアもリアバンパー上から開くので、荷物の積載も容易です。
カスタマイズカー向き
初代bBは、プレーンな外板構成のボディだったため、ラッピングを施すオーナーも多いクルマです。痛車から営業用車まで、様々な用途のラッピングが施されました。
アメリカンな外観なのでローライダースタイルが良く似合い、大径ホイールと車高調は人気のカスタマイズです。
ラゲッジフロアのフラットさを生かし、大容量アンプやウーファーボックスなどを設置。
標準オーディオは設定されていないので、好みのヘッドセットで音楽を楽しめます。
さすがに走りにこだわったカスタマイズはあまりいませんでしたが、若い男性がやりがちなやんちゃ方向のカスタマイズが初代bBでは主流です。
お手頃価格で購入しやすい
初代 bBはヴィッツやファンカーゴと多くのコンポーネントを共有していたため、129.8~173.8万円というお手頃な車両本体価格でした。
bBのアメリカ版であるサイオン xBも同様で、そもそもサイオンが200ドル以下の車を販売する若者向けブランドだったこともあり、xBもbBと大きく変わらない価格となっています。
トヨタ bB主要スペックと中古車価格

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BBbB
トヨタ bB Z 2000年式
全長×全幅×全高(mm):3,825×1,690×1,645
ホイールベース(mm):2,500
車両重量(kg):1,040(FF)/1,100(フルタイム4WD)
エンジン仕様・型式:1NZ-FE 直列4気筒DOHC
総排気量(cc):1,496
最高出力:105ps/6,000rpm
最大トルク:14.1kgm/4,200rpm
トランスミッション:コラム式4AT
駆動方式:FF/フルタイム4WD
中古車相場:1.8~148万円(2019年11月現在)
まとめ
初代bBはヒットし、2代目にモデルチェンジしました。
しかし2代目bBはダイハツ クーのOEMで、同じくOEMのスバル デックスとの3兄弟になり、現在はダイハツ トール/トヨタ ルーミー/トヨタ タンク/スバル ジャスティの4兄弟に変更されています。
そして、トールワゴンボディは引き継がれたものの、カスタマイズには向きそうもないレベルで隙なく作り込まれた優等生的な車になりました。
顧客のニーズ、時の社会情勢、車を取り巻く状況で、同じクラスで同じボディタイプの車でも、微妙に雰囲気やニュアンスが変わります。
初代bBのもつカスタマイズ性の高さを、いずれ他のモデルで再現してほしいものです。
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