富士スピードウェイで行われた「FUJI WONDERLAND FES!」では、登場する往年のマシン同様に、サーキットにいつも通っているファンからの注目を集めたレースがありました。それが「FISCO レジェンドカップ」です。かつて様々な名勝負を繰り広げた元レーシングドライバーたちが集い、現役当時と変わらぬ大バトルを繰り広げます。今回は4年ぶりの開催となりましたが、その結末はどうなったのでしょうか?過去のレースと共に振り返っていきたいと思います。

©︎富士スピードウェイ

 

レジェンドカップとは?

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このレースが始まったのは2010年。国内最高峰のスーパーGTとフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)を同時開催する「JAFGP富士スプリントカップ」の併催イベントとして行われました。

それは、これまでの数々の名レースを繰り広げてきたドライバーたちが久しぶりに集合し、同じマシンを使用してガチンコでレースをしようというものでした。

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記念すべき初レースではマツダ・ロードスターのマシンを使用。この大会ではジェフ・リースも参加し、白熱したバトルを繰り広げてくれました。

現役時代の闘志はまったく衰えておらず、スタートすると全員が本気の大バトル。接触やアクシデントも起きるほど熱の入ったレースとなりました。

©︎Tomohiro Yoshita

白熱したバトルを見せつけられたファンや関係者から注目を集めると、2011年も開催決定。ちょうどホンダが導入予定だったホンダCR-Z10リッターチャレンジの車両を使ってのレースとなりました。そして、2012年にはトヨタ86を使用してのワンメイクレースとなったのです。

さらに2回目以降は冠スポンサーもつくようになり、2011・2012年はENEOS SUSTINA。2013年はグッドスマイルカンパニーが務めました。

 

面白ペナルティも連発!

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レジェンドカップではレースのバトル以外にも注目を集めるものがありました。

それが、ペナルティ!

基本的にイベントレースなので、厳格にペナルティを取っているわけではありませんが、やはり正々堂々と戦うレースですから違反をすれば、ペナルティが与えられます。

その内容が、非常にユニークだったのです。例えば…

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フライングした場合。通常のレースならピットロードのドライブスルーペナルティですが、レジェンドカップでは「晩御飯抜きペナルティ」。ちなみに、この時のペナルティ対象者は…5人だった模様です。

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他には、ピットロードでのスピード違反!こちらも通常はドライブスルーペナルティですが、なんと3600秒(60分)のタイム加算となりました。これは重たいですね…。

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もちろん、レースなので接触もありました。状況に応じてぶつけた側にペナルティが下る場合もあるのですが、レジェンドカップの場合は「修理代は自腹」というレギュレーションでした。

この他に有名なのが土屋圭市選手。レース中に特に理由もなくドリフトをしたり、直線で蛇行運転をしたため、「場内清掃のペナルティ」を受けます。ちなみに、後日本当にペナルティ消化のために場内清掃を行ったそうです。

また、こんなシーンもありました。

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2013年のレースで、優勝した片山右京選手。嬉しくてドーナッツターンを披露したのですが…冠スポンサーという事情ににより「セーフ」。もちろん、こんな依怙贔屓(えこひいき)は実際のレースでは絶対にありません。

こういったペナルティも見られるのが、レジェンドカップの面白いところでした。

しかし、2013年に富士スプリントカップ終了と同時にレジェンドカップの開催も滞ることに。それでも、再度実現を願う声も多数あり、FUJI WONDERLAND FES!で復活することになったのです。

4年ぶりに帰ってきたレジェンドカップ!今回も「まさか!」の結末が待っていました。気になるレースの模様は次のページで!