7月8・9日、SUPER GTの公式合同テストが鈴鹿サーキットで開催。GT500・GT300合わせて40台以上のマシンが参加した。通常、こういったテスト走行の場合はチームごとで取り組むことが異なるため、単純にラップタイムの順位で調子の良し悪しを判断することは難しい。しかし、2日間で計8時間にわたるセッションを取材したことで、ラップタイムだけでは見えてこない「SUGOラウンドの見どころ」が徐々に明らかになってきた。今回は、テスト取材で見えてきた第4戦SUGOラウンド(7月23・24日)での注目チームをピックアップする。

Photo by Tomohiro Yoshita

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ホンダNSX CONCEPT-GTの復活はあるのか?注目のGT500クラス

Photo by Tomohiro Yoshita

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まずはホンダ、レクサス、日産の3メーカーはしのぎを削っているGT500クラス。

開幕2戦は前年王者の#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が連勝を飾る大活躍をみせた。

その一方、今年はハイブリッドシステムを非搭載となり戦闘力アップかと予想されていたホンダNSX CONCEPT-GT勢が大苦戦。開幕戦岡山では5台全車が予選Q1で脱落。第2戦富士でもトラブルやアクシデントで4台がリタイアに終わってしまった。

しかし、今回のテストでは、結果を見ると1日目は#15ドラゴ・モデューロNSX CONCEPT-GT(武藤英紀/オリバー・ターベイ)がトップタイム。雨となった2日目は#8ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮/野尻智紀)がトップタイムを記録した。

苦戦を強いられた序盤から約2ヶ月。気になる車体・エンジンのパフォーマンスは改善されたのか?

正直な結論を言うと「やや微妙」といったところだ。

実際にドライバーの話を聞くと、明らかな改善は感じられているとのこと。初日にトップタイムを記録した武藤も「マシンが乗りやすくなった」とコメントしているし、チームメイトのターベイは「予選のアタックラップに関しては大幅に改善されたと思う」とのこと。その他のドライバーたちも「良くなった」というコメントをしている。

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しかし、実際に陣営全体の表情を見ていると、格段な進歩と確実な手応えを得られているか?というと、どうもそうではない様子。今回は8月の鈴鹿1000kmを想定し、ランキング上位のチームはウェイトハンデ100kgを想定してのテストを行っていたのではないかという情報もある。

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さらにホンダ勢同様に序盤戦はポイントを稼ぐことができなかった分、SUGOではウェイトが軽い状態で臨めるチームもいくつかある。そういった手強いライバルも多いことになるを考えると、ホンダ勢が絶対有利とは言い切れないのだ。

それでも、今回の改善でライバルに近づいていることは確か。さらにNSX CONCEPT-GTは、序盤2つのコースよりもSUGOのような高速コーナーが多いサーキットに向いたマシンと言われいる。その点を考えると、明らかに頭一つ抜けたパフォーマンスになったとは言い難いが、優勝候補の一角として名を連ねてきそうだ。

 

ウエット路面で抜群の速さをみせたRAYBRIG NSX CONCEPT-GT

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GT500でもう一つ収穫があったのは、2日目のウエット路面。午前中は雨量が多すぎて、テストにならなかったが、午後は通常のウエット路面になり、各車が走行を再開。

その中で一際目立った走りをしていたのが#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)だ。

1時間20分のセッションだったが、比較的雨量が多かった序盤からトップタイムをマーク。ラップタイムのアベレージも他を圧倒する速さをみせていた。

最終的に、雨が止んだ終盤に#8ARTA NSX CONCEPT-GTがタイムを更新したが、ウエット路面では抜群の速さを見せていたのは確か。まだ当日の天気は分からないが、もし雨となれば今回のように100号車が速さを見せる可能性もありそうだ。

 

続いてGT300クラス。こちらも目が離せないチームがある!