フォレストオートのスズキ バンバン125をご紹介!Motorz編集部のヤマトは大の2ストバイク好きなので、バンバン125を目の前に、解説にも力が入ります。ここではバンバン125の詳細も含め、YouTube モーターズチャンネルでも紹介した、フォレストオート代表 戸森さんのバンバン125を紹介します。
Text:Yuki Ikeda
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生産終了から40年!名車スズキ・バンバン125がバモスに載っかってやってきた
フォレストオートは、軽バンや軽トラに特化した車両販売や、デモカーの製作をおこなうショップです。
軽バンや軽トラを中心にリフトアップするためのスプリングなども製作しており、最近街中で見かけるエブリィやN-VANのリフトアップ仕様は、フォレストオートが最初に初めたカスタムだそう。
つまり、軽バン/軽トラにスプリングを用いたリフトアップの元祖となるショップです。
取材では、ホンダの軽自動車では超希少車である1970年製バモスホンダを持ってきていただいたのですが、その荷台に積まれていたのは、なんと!フォレストオート代表である、戸森さんが所有するスズキ バンバン125でした。
バンバンは旧車フリークの間では知る人ぞ知る名車で、生産終了後40年が経過したとは思えないほど綺麗な車両です。
スズキ・バンバン125とは
スズキ バンバンは、原付および原付二種のレジャーバイクとして、50cc、75cc、90cc、125ccの4モデルが発売されていました。
型式がRVだったことから『RVシリーズ』とも呼ばれ、バンバン125は『RV125バンバン』と呼ばれることもあります。
最初に登場したRVシリーズはバンバン90で、1971年8月1日に発売。
そこから約1年2ヵ月遅れの1972年10月13日に、バンバン125は発売されました。
1972年スズキは、シリーズの世界モトクロスグランプリにおいて、500ccと250ccクラスでコンストラクターズチャンピオンを獲得し、スズキ製モトクロスバイクが世界中で一気に注目され、高い人気を誇っていた時代です。
当時はバンバン125と同じ排気量の、TS125ハスラーというモトクロスバイクが販売されており、バンバン125に搭載されたエンジンはTS125ハスラーのものを中低速向けにチューニングしたものでした。
ほかにも、排気量をスケールダウンさせた『ミニクロ50/50タイプⅡ/70』は、モトクロスコースやエンデューロまでこなす本格派モトクロスバイクとして脚光をあび、対照的にバンバンは「世界にのるならバンバン」をキャッチコピーにしてレジャー向けバイクに発売。
価格はRV50が10万5000円、RV75が11万円、90が13万5000円、そして125が18万5,000円でした。
同カテゴリーのバイクでは、すでにホンダDAXが販売されており、バンバン発売後にはヤマハ ジッピィやボビィも発売されたことで、小型ホビーバイクカテゴリーはシェア争いが激化。
そのなかでバンバンは、TSシリーズ譲りの力強い2ストエンジンと、他モデルにはない極太のバルーンタイヤがユーザーの心をいとめて大ヒットし、1975年頃まで生産されました。
スペック
1972年式 バンバン125 | ||
---|---|---|
型式 | RV125 | |
全長×全幅×全高(mm) | 1,960×835×1,055 | |
ホイールベース(mm) | 1,305 | |
最低地上高(mm) | 165 | |
車両重量(kg) | 109 | |
原動機型式 | RV125 | |
エンジン種類 | 空冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ | |
排気量(cc) | 123 | |
内径×行程(mm) | 56×50 | |
圧縮比 | 6.6 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 8.0[11]/6,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 13[1.4]/5,500 | |
変速機 | 5速 | |
タンク容量(ℓ) | 0.8 | |
2ストオイルタンク容量(ℓ) | 4.5 | |
エンジン始動方法 | キック | |
タイヤサイズ | 前 | 5.40-14 (チューブタイヤ) |
後 | 6.70-12 (チューブタイヤ) |
不動車コーナーで運命的にであったバンバン125を3年かけレストア
今回取材させて頂いたバンバン125は、戸森さんがバイク専門のオートオークションへ行ったとき、不動車コーナーに出品されていたものだそうです。
フレームやエンジンなどは錆だらけで!ボルトも固着して動かない状態。
しかし、高校時代にバンバン50に乗っていたことからバンバンに思い入れがあった戸森さんは、不動車として売られていたにも関わらず、微意調整をしながらキックペダルを蹴ってみることに。
すると、なんとエンジンが始動したのです!
それで購入を決め、仕事の合間を見ながらバラして部品の錆を取って塗装し、3年の月日をかけてここまで作り上げました。
とはいえバンバン125は生産終了から約40年が経過しているため、純正パーツはほとんどが欠品状態です。
そのためシートを自作したり、ウインカーはGS400から流用するなどして欠品部品を補いました。
また、フェンダーやフレームカバー、サイドカバーといった部品は、再塗装せず、この美しいオレンジカラーは純正のまま。
サイドカバーの”VanVan125″と書かれたステッカーは自作で、フォントやデザイン、色合いなど、戸森さんのセンスが光る部分です。
また、バンバン125のチャームポイントである極太バルーンタイヤはブリジストンから新品で購入でき、サイドウォールのクラシックな「BRIDGESTONE」のロゴは、バンバンが生産された時代のイメージと合っていて、当時の趣が感じられました。
空気入れは純正パーツなんです
バンバンは、レジャーバイクとして売り出されたバイクのため、未舗装路やビーチをはじめとする砂地も走れる操作性をもったバイクです。
その補助的な純正工具として、空気入れがフレームに沿って取り付けられているだけでなく、タイヤプレッシャーゲージまで装備されていました。
バイクの純正工具に空気入れが用意されていることは珍しいと感じる方もいると思いますが、砂地や岩場などでグリップ力を増すには、タイヤの空気圧を下げることが有効な手段。
そのため、悪路を走行するために空気を抜いても、そこからタイヤの空気圧を戻せるように空気入れが標準装備されているのです。
バンバンシリーズは可愛らしいルックスと、オモチャのように遊べるバイクとして大ヒットしましたが、空気入れやタイヤプレッシャーゲージを標準装備させたスズキのアイデアが、その要因だったのかもしれません。
貴重なバンバン125にヤマトが乗せてもらいました!
バンバン125の試乗では、キック始動で一発でエンジンをかけることに成功。
アイドリング時から聞こえてくる、カラカラと乾いた音は空冷2ストエンジンならではで、現行のバイクでは決して聞くことのできないエンジンサウンドが懐かしく感じられました。
走り出すとエンジンはかなり快調で、時速40キロぐらいまでは一瞬で加速してくれ、操作がとにかく楽しい!
40年前のバイクがこんなに楽しかったなんて、バンバン125の素性の良さを体験できた貴重な経験となりました。
まとめ
取材の最後に、戸森さんにとってクルマやバイクの魅力は?と聞いてみたところ、
「僕にとっては生活の一部というか、人生の一部、スタイルの一部なので、もう無いと生きていけない。」と答えてくれました。
もちろん戸森さんにとってバンバン125も生活の一部。
戸森さんの大切な相棒として、これからも大切に乗られていくのだと思います。
フォレストオート(Forest Auto Co.,Ltd.)
住所:〒289-2306 千葉県香取郡多古町十余三355-13
電話番号:0479-75-2726
営業時間:9:00~19:00
定休日:水曜日・第2、第4火曜日
ホームページ:https://www.forest-auto.com/
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