現在の軽自動車カテゴリーでは、軽トラック / 軽1BOX車のみのラインナップとなっているものの、三菱と合弁会社NMKVを立ち上げるまでの日産はスズキから軽乗用車MRワゴンのOEM供給を受け、モコとして販売していました。そして、NMKVで開発した軽自動車がデビューするようになるとMRワゴン / モコはその役目を終え、2016年はじめに、いずれも販売を終了しています。

 

3代目日産 モコ / 出典:http://history.nissan.co.jp/MOCO/SA2/1102/index.html

 

 

スズキから日産にOEM供給された最後の軽トールワゴン、3代目MRワゴン / モコ

 

3代目スズキ MRワゴン / © TOYOTA MOTOR CORPORATION. All Rights Reserved.

 

2002年4月以来、スズキからMRワゴン(2001年12月発売)の供給を受け、モコとして販売していた日産ですが、純粋なバッジエンジニアリング(エンブレムを変えた程度で少なくとも見た目は同じ)ではなく、デザインや装備面で独自色を出していました。

また、販売台数でも日産の方が販売力が強く、かつマーチのようなコンパクトカーとの両立というよりOEMでも軽自動車を遠慮無く販売していた結果、常にモコの方がMRワゴンより売れる状態が続きます。

いわばダイハツからOEM供給を受けるトヨタのコンパクトカー(デュエットや3代目パッソなど)と同じ現象だったわけですが、2010年12月に日産は三菱との事業協力拡大を決定し、翌年5月には軽自動車の共同開発を行う合弁会社NMKVを誕生させました。

しかし、NMKVで開発した軽自動車が市場に並ぶまでにはまだ若干の時間が必要であり、特に2代目オッティ(2代目三菱 eKワゴン)ではまかなえない軽トールワゴンのラインナップを欠かすことはできません。

そしてスズキの側でも、パレット(スペーシアの前身)やワゴンR、アルトでは取り込みきれない若いユーザー層のためとしてMRワゴンを継続することにし、3代目スズキ MRワゴン / 日産 モコが、それぞれ2011年の1月 / 2月に発売されました。

 

スズキはアグレッシブに、日産は丸みを帯びて柔らかくと対照的なデザイン

 

3代目スズキ MRワゴンWit / © TOYOTA MOTOR CORPORATION. All Rights Reserved.

 

日産では軽自動車販売の売れ線となるものの、NMKVが開発する新車種までのつなぎとなるモコ、スズキでは、あくまでニッチ商品となるMRワゴンという微妙な立場の違いもあってか、デザインだけでなく装備面やグレードも3代目では簡素になりました。

とはいえ、アイドリングストップこそ発売数ヵ月後に追加だったものの新型エンジンR06Aが搭載され、リチウムイオンバッテリーに車内電装品用電力を充電する『エネチャージ』もワゴンRより1年近く遅れながら搭載されます。

そして、エネチャージのIGS(強化オルタネーター)にモーターアシスト能力を加えた『S-エネチャージ』こそ搭載されなかったものの、燃費性能は着実に改善されていました。

デザインはバンパーやフロントグリルのみならず、ヘッドライトやボンネットまでMRワゴンとモコで異なり、MRワゴンはつり目がちのヘッドライトに上からボンネットをかぶせたようなコワモテ。

モコはボンネットまではみ出すほど丸くパッチリ開いた目のようなヘッドライトにバンパーやフロントグリルも曲線を多用し、これほどフロントマスクが違うと別な車と言っても過言ではない程。

2013年に追加されたカスタム仕様のMRワゴンWit / モコドルチェこそほぼ同じデザインでしたが、日産は結局初代から一貫してモコで独自デザインを貫き、MRワゴン以上の販売台数を記録しました。

また、その方針はNMKVで三菱とeK/ デイズシリーズを共同開発するようになっても変わらず、あくまで『日産の軽自動車』を貫いているため、特に車好きというわけでもないユーザーの場合は、日産が独自に軽自動車を開発していると思っている人もいるはずです。

 

主なスペックと中古車相場

 

3代目日産 モコ / 出典:http://history.nissan.co.jp/MOCO/SA2/1102/index.html

 

日産 MG33S モコ X 2013年式

全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,625

ホイールベース(mm):2,425

車両重量(kg):820

エンジン仕様・型式:R06A 水冷直列3気筒DOHC12バルブ

総排気量(cc):658

最高出力:38kw(52ps)/6,000rpm

最大トルク:63N・m(6.4kgm)/4,000rpm

トランスミッション:CVT

駆動方式:FF

中古車相場:8.5万~129.9万円(モコ / MRワゴン2代目各型全て)

 

まとめ

 

3代目日産 モコ / 出典:http://history.nissan.co.jp/MOCO/SA2/1102/index.html

 

3代に渡ったスズキと日産のコラボレーションでしたが、スズキとしては売れ筋以外のすき間商品的な車を日産のおかげで継続でき、日産にとっても『日産の軽自動車』を定着させるのにスズキが大きな役割を果たしてくれたので、お互いメリットのある関係となりました。

そしてその後も、日産は三菱でほぼ生産をやめた(ミニキャブMiEVのみ継続中)軽トラック / 軽1BOX車に代わってスズキからキャリイ / エブリイを、スズキも日産からミニバンのセレナをと、相互にOEM供給しており、この関係はまだまだ続きそうです。

 

あわせて読みたい

Motorzではメールマガジンを始めました!

編集部の裏話が聞けたり、月に一度は抽選でプレゼントがもらえるかも!?

気になった方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みいただくか、以下のフォームからご登録をお願いします!