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まるでジキルとハイド!?2ストの魅力が詰まったスズキ GT125はやっぱり楽しかった!

大排気量車を豪快に操るのも魅力的ですが、小排気量ロードスポーツには無い面白さがあります。少し足りないパワーを使い切りシャープな操縦性を味わった時、あなたは、モーターサイクルはバランスの乗り物だということを再発見するでしょう。125cc A/T免許取得の簡易化など、原付二種(原二)を取り巻く環境が変化しつつある今だからこそ【シリーズ”原二”】では、マニュアルミッションで操る小さなスポーツバイクたちを紹介していきます。第三回の今回ご紹介するのは、スズキから発売されていたGT125です。

 

出典:http://nippon-classic.de/classic-bikes/suzuki/suzuki-gt-125-wieselflinkes-leichtgewicht/

 

 

GT125とは

 

出典:http://moto.watchescoupons.com/autocollant-moto-suzuki-origine/

 

GT125は、スズキから発売されていたGTシリーズ、GT380・GT550・GT750をそのままミニチュアライズしたような、小さいながらも大らかなデザインが魅力のモーターサイクルで、1974年から1977年の4年間販売されていたモデルです。

あまり小さなサイズ感を感じさせないどころか排気量なりに小型化されたデザインは非常に良くまとまっており、シリーズの中で同じ車体を使ったGT185とあわせて、個人的には最も好きなデザインでした。

 

GT125の魅力

 

出典:http://onlymotorbikes.com/suzuki/gt-125/suzuki-gt-125-1975-pic-38580.html

 

他のシリーズ兄弟車にも言えることですが、スズキ製2サイクルエンジンを搭載したGT125の大きな魅力として、エンジンへの絶大な信頼性が挙げられます。

これはスズキが『CCI “Cylinder Crank Injection”』と呼ぶ、2サイクルオイルの分離給油方式によるものが大きいでしょう(後にCCIS “Cylinder Crank Injection and Selmix” となる)。

通常の2サイクルエンジンでは吸気マニホールドに設けられたオイルラインから2サイクルオイルを流し込み『空気+ガソリン+オイル』という混合気をエンジン内に取り込んで潤滑・燃焼させますが、CCIはオイルをクランクケース内のベアリングへも直接圧送することで、当時の2サイクルエンジンが抱えていたクランクベアリングの焼き付きという問題を克服し、高速道路こそ使えないものの長距離を安心して走破できる信頼性を獲得しました。

さらにスズキが採用した『ラムエアーシステム』という導風板を用いたシリンダーヘッドの冷却システムが、熱ダレに特に弱い2サイクルエンジンの冷却を効果的に行うことで、更に信頼性を向上させたことも見逃せません。

 

出典:http://onlymotorbikes.com/suzuki/gt-125/suzuki-gt-125-1975-pic-38591.html

 

また、単に信頼性が高いだけではなく、先に紹介したRD125と比べてもトルク感の大きなエンジンとなっていて、排気音こそRDよりも軽やかで細い印象ですが実際のトルクは上のように感じます。

もちろん昔の2サイクルエンジンのことなので、3,000rpm以下はほぼ使いものにならないことは言うまでもありません。

お恥ずかしい話ですが、まだ2サイクルエンジンを上手く扱えなかった10代の頃の筆者は、友人のGT125を借りた時に3,000rpm以下で3速に入れてしまい、アクセル全開のままモコモコという音だけでほとんど加速しないという経験をしています。

ところが、このエンジンはまるでジキルとハイドのような性格を持っていて、モコモコのままタコメーターの針が6,000rpmを超えた途端、爆発的な快音と共に一気にフロントタイヤを持ち上げ竿立ちに!(今になって冷静に考えると、少し調子が悪かったのかもしれませんね)。

再度RD125との比較になってしまいますが、『まんべんなく高性能でそつなくまとまったRD』に対して『信頼性はあるけどじゃじゃ馬なGT』といった印象を持ったものです。

 

 

また当時は『2サイクル用集合管』というものも販売されていて、主にGT380やカワサキのKH400など3気筒モデルに好んで取り付けられていましたが、GT125の2気筒用にも存在。

4サイクルではカスタムの定番とも言える集合管が2サイクルにも存在したことは興味深く、そのサウンドはなかなか魅力的なものでした。

 

 

GT125のスペック

 

機種名 GT125
全長×全幅×全高(mm) 1,910×770×1,065
軸間距離(mm) 1,230
乾燥重量(kg) 115
装備重量(Kg) 122
エンジン種類 空冷2サイクル ピストンバルブ 並列2気筒
総排気量(cc) 124
ボア×ストローク(mm) 43×43
圧縮比 6.8:1
燃料供給装置 キャブレター
最高出力(ps/rpm) 16/9,500
最大トルク(kg-m/rpm) 1.3/8,500
トランスミッション 常時噛合式5段リターン
始動方式 キックスターター
駆動方式 チェーン
燃料タンク容量(L) 10
ブレーキ形式 Fr. 油圧式ディスクブレーキ
ブレーキ形式 Rr. 機械式リーディングトレーリング
タイヤサイズ Fr. 2.75-18 4PR
タイヤサイズ Rr. 3.00-18 4PR
発売当時価格(円) 196,000

 

GT125の中古車相場

 

該当なし
– goo調べ 2018年6月現在 –

 

まとめ

 

今回は、小粒でもちょっと手ごわいGT125をご紹介しました。

兄弟車たちにも見劣りしない威風堂々としたスタイリングと小排気量らしい切れ味を併せ持ったGT125は、今の時代だからこそ再販が望まれるモデルではないでしょうか。

現代は2サイクルが絶滅して久しいですが、みなさんにも一度どこかで2サイクル小排気量のモーターサイクルを経験してほしいと思っています。

まだ子供だった筆者に『2サイクルの面白さ』を教えてくれ虜にしたのは間違いなくGT125であり、『パワーバンドをキープして走ることの難しさと楽しさ』と、そこから来る『比較的安全な速度での綱渡りのようにスリリングなコーナリング』を教えてくれたのはGT125やRD125といった2サイクル小排気量車たちなのでした。

GT125の存在を知ったあなたが小排気量に興味を持つと共に、面白さに目覚めてくれることを願ってやみません。

 

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Writer Introduction
酒井洋樹

1959年型東京生まれ埼玉育ち田舎暮らしなモーターサイクル・フリーライターです。 二輪販売店での営業を皮切りに、ロードレースでのメカニックやチャンバーなどのアフターパーツ製造を経験。 プライベートではエンデューロにも出場。タイヤが二個ならオンでもオフでも大好物。 執筆活動のテーマは「モーターサイクルに恩返し」

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