初代70系ランドクルーザープラド以来、ライトデューティー4WDのSUVはハイラックスサーフとのツートップ体制だったトヨタですが、両車を統合する形で2009年にデビューしたのが4代目150系ハイラックスでした。ランドクルーザーの一族として悪路走破性の高さや頑丈さは受け継いだものの、日本市場ではショートボディが廃止されるなど豪華で快適さを強調したモデルとなっています。
『いつでもどこへでも行ける安心感と快適性』をテーマとした4代目プラド
ランドクルーザープラド(以下、『プラド』)はヘビーデューティ4WDだった70系ランドクルーザー(以下、『ランクル』)にハイラックスサーフと共用のパーツを用いて快適性を高めた70系ランクルワゴン、さらに初代70系プラドとして誕生しました。
とはいえ初代三菱 パジェロが牽引したクロカン4WDブームには少々ユーザーの希望を読み違えて出遅れたものの、2代目90系以降で大幅に巻き返し、大型ワゴン系(50系から200系まで)ランクルともどもユーザーからの広範な支持を獲得。
日本では豪華オフローダー版ランクルのミドルクラスを担当するとともに、海外では小型軽量仕様ランクルとしても支持され、ランクル一族の国際的ブランドを担う一翼として順当に発展してきました。
そして2009年9月にモデルチェンジした4代目150系プラドは、日本における本格オフローダー系SUVの市場縮小に伴い、プラドが存続する形でハイラックスサーフと統合。
ロングボディで、ある程度以上の快適装備とイージードライブを実現しているグレードのみが残されます。
7人乗りの最上級グレード『TZ-G』を除けば2列シート5人乗り/3列シート7人乗り仕様が設定されており、悪路走破性の高い3列シートミニバン/2列シートステーションワゴン的な乗り物となりました。
また、4代目デビュー時は国内で本格オフローダー市場がもっとも縮小していた時期だったので販売実績も振るいませんでしたが、2014年以降は大幅に持ち直して2017年9月のマイナーチェンジ(2度目)以後、2018年3月に3,900台を販売するなど右肩上がりの販売台数を記録中です。
一層快適な室内空間を実現したミッドサイズの本格4WD
基本的には先代120系からプラットフォームを継続使用し、内外装デザインをリフレッシュした正常進化版ですが、先代途中で廃止されて4リッターV6ガソリンエンジンで代用されていたディーゼルエンジンが2015年6月に復活するなど、ランクルらしさを取り戻します。
また3列シート車ではサードシートに電動フロア格納機構を設け、セカンドシートにもスライド機構や3列目へのウォークイン機構を追加するなど利便性を向上。
最上級グレード『TZ-G』以外はメカニズム面で特記すべきところはあまりありませんが、『TZ-G』では直前側方死角カバー用の『マルチテレインモニター』や『ワイドビューフロント&サイドモニター』を装備して、サイドアンダーミラーの廃止に成功。
さらにスタビライザーやサスペンションを電子制御化して快適な乗り心地と優れた操縦安定性を高次元で両立するKDSS(Kinetic Dynamic Suspension System)を標準装備し、オフロード走行時に路面状況に応じた5つの走行支援モードを選べる『マルチテレインセレクト』をオプションで装備可能です。
そして予防安全装備も2017年9月のマイナーチェンジ以降、衝突回避支援パッケージ『Toyota Safety Sense』を全車標準装備するようになり、歴代最高の安全性能を持つようになりました。
主なスペックと中古車相場
トヨタ GDJ151W ランドクルーザープラド TZ-G 2018年式
全長×全幅×全高(mm):4,825×1,885×1,835
ホイールベース(mm):2,790
車両重量(kg):2,330
エンジン仕様・型式:1GD-FTV 水冷直列4気筒ディーゼルDOHC16バルブ ICターボ
総排気量(cc):2,754
最高出力:130kw(177ps)/3,400rpm
最大トルク:450N・m(45.9kgm)/1,600~2,400rpm
トランスミッション:6AT
駆動方式:4WD
中古車相場:182万~668.8万円
まとめ
ホイールベースの長いロングボディ車のみの設定となり、外装もクロスオーバーSUVの方がよほどそれらしさを感じるほど乗用車的になった4代目150系プラドですが、オン/オフ問わない快適性を備えたランクル一族らしい悪路走破性の高さは健在です。
しかし、安価でより悪路走破性の高いショートボディ車が日本市場でラインナップされなくなったため、本格オフローダーとしての魅力はやや薄れてしまったものの、排ガス規制に対応したディーゼルエンジンの復活という朗報もありました。
そのため、200系ランクルやレクサスLXでは大きすぎるという日本のユーザーにとっては、三菱 パジェロともども今後も扱いやすいサイズのオフローダーとして長く支持を受け続けることでしょう。
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