街なかで見かける、スポーツカーやスーパーカーたち。その走る姿に、胸をおどらされる人は多いと思います。そんなスポーツカー、スーパーカーたちは、サーキットで行われるレースでも活躍をしています。「FIA-GT4」と呼ばれる市販版に近いパフォーマンスを持ったレーシングカーたちがいま、手軽にモータースポーツを楽しみたいドライバーたちにとって人気のカテゴリーとなっているのでs。そもそも、FIA-GT4とはどのようなレーシングカーなのでしょうか。日本車も参戦し始めたFIA-GT4について、ご紹介しましょう。

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FIA-GT4とは

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「FIA-GT4」は、モータースポーツで使用するクルマのカテゴリーの1つです。

元レーシングドライバーのステファン・ラテル氏によって創設された組織「SRO(ステファン・ラテル・オーガナイぜーション)」が提案した”FIA-GT3”および”FIA-GT4″の規定に沿って、制作されています。

プロやアマチュア問わず幅広いレーシングドライバーに対応できるように作られ、メーカーサポートを受けていないプライベーターチームが、気軽に低予算でレースに参戦できるように作られました。

そして同時期に提案された”FIA-GT3″は早々と受け入れられ、世界各地でおこなわれるモータースポーツカテゴリーに組み込まれ、高い人気を維持。自動車メーカーが直接開発をおこない制作したキットカーが市販され、プライベータ―チームが購入することでクルマをイチから作る手間が省けるだけでなく、メンテナンスをしっかりおこなうだけでレースへ参加できるメリットがあります。

一方で、”FIA-GT4”はFIA-GT3とは異なって、自動車メーカーが開発をおこなわず、専門のカスタムチューナーがルールに沿った車両を制作・販売。ごく一部のレースカテゴリーで使用される程度にとどまっていました。

しかし、FIA-GT3の人気が高まり、制作したキットカーの価格が大幅に上昇したため、手頃な予算でのレース参戦が難しい状況になっていきます。

そこで、FIA-GT3キットカーでのレース参戦が難しくなったプライベータ―チームが、FIA-GT4に変更し、新たな境地を開拓しようとしているのです。

FIA-GT4の魅力

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それでは、FIA-GT4の魅力を、2つのポイントに分けてご紹介しましょう。

低コストでマシン制作が可能

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FIA-GT4が持つ魅力の1つとして、低コストでマシン制作が可能である点が挙げられます。

FIA-GT4規定を満たしたマシンたちは、主に自動車メーカーやメーカーと結びつきのあるカスタムチューナーによって制作されます。

そんなFIA-GT4は、ベースとなるスポーツカー、スーパーカーほぼそのままに、改造範囲を狭めることで、車両本体価格が抑えられるほか、レース参戦にかかるメンテナンスコストも安く済む利点を持っているのです。

”BoP”によるイコールコンディションを実現

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FIA-GT4が持つもう1つの魅力が、イコールコンディションを保っている点です。

さまざまなメーカーにより多彩な車種が開発され、ユーザーに選ばれているFIA-GT4では、マシン間での性能が均一となり、レースが盛り上がるように「BoP(バランス・オブ・パワー)」制度が導入されています。

BoPは、ベース車のボディ形状や駆動方式に違いがあるため、性能差が発生する事を防ぐためのルールです。エンジンパワーの出力や最低車重を調整するなど、平等かつどのマシンにもレースで勝利できるチャンスが与えられるカテゴリ。

好みのマシンを選んでレースを楽しめるメリットが、FIA-GT4にはあるのです。

FIA-GT4が活躍しているレースカテゴリー

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それでは、現在FIA-GT4が活躍するレースカテゴリーを、ご紹介しましょう。

スプリントレースから耐久レースまで、幅広く活躍の場があります。

スーパー耐久シリーズ(日本)

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「スーパー耐久シリーズ」は、日本で最高峰の耐久レースシリーズです。

プロからアマチュアまで幅広いレーシングドライバーたちが、複数のクラスに分かれて本格的なFIA-GT3やコンパクトカーをベースとしたレーシングカーを操り、楽しむモータースポーツとなっています。

FIA-GT4マシンは、「ST-Z」と呼ばれるクラスに分類。

メルセデスやアウディ、アストンマーティンなど、バラエティに富んだ車種が参戦し、盛況となっています。

ニュルブルクリンク24時間耐久レース

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「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」は、毎年初夏にドイツのニュルブルクリンクサーキットで開催され、24時間で競われる耐久レースです。

オリジナルマシンからメーカーの開発車両など、多彩な参戦車種カテゴリー別に分けられ、1周約25kmのロングコースを駆け抜けるレース。FIA-GT4は「SP10」クラスに分類され、ヨーロッパ各地のプライベータ―チームが競い合い、クラス優勝を争っています。

おもなFIA-GT4マシンたち

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世界で活躍する、FIA-GT4マシンをご紹介します。

いずれも車両本体は1台2000万円程度で入手できるように、コストが抑えられたマシンとなっています。

メルセデス・AMG GT4

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「メルセデス AMG GT4」は、F1やFIA-GT3マシンで実績を持つ、メルセデスがGT4カテゴリーに送り込んだマシンです。

GT3マシンでの実績をフィードバックしたマシンであり、ニュルブルクリンク24時間レースでもクラス優勝を達成。高い信頼性を持つ大径仕様のブレーキは、長時間長距離戦となる耐久レース向けに開発されており、常に安定したドライビング感覚をドライバーに提供します。

AMGにより作られた4000ccV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、冷却効率とパワーに優れたハイパフォーマンスマシンとなっています。

アウディ・R8 LMS GT4

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「アウディ R8 LMS GT4」は、ル・マン24時間耐久レースを制した実績を持つアウディが送り出すスポーツカー、「R8」がFIA-GT4用に改造されたマシンです。

ABS(アンチロックブレーキシステム)やトラクションコントロールをドライバーの好みに合わせて、8段階で調節できる機能を備えたハイテクGT4マシン。

ミッドシップレイアウトを採用し、車体の中央から後方にかけて5200ccV型10気筒エンジンが搭載されています。アウディが市販車でも採用しているデュアルクラッチトランスミッション「Sトロニック」と組み合わせられた、ハイパワーマシンに仕上げられています。

アストンマーティン・ヴァンテージGT4

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「アストンマーティン ヴァンテージGT4」は、FIA-GT3やル・マン24時間レースのGTEクラスでも実績を積むアストンマーティンのFIA-GT4マシンです。

AMG製4000ccV型8気筒ツインターボエンジンは、市販バージョンのヴァンテージと共通の信頼性の高いパワーユニット。

扱いやすいFR(フロントエンジン・リアドライブ)レイアウトを採用し、レース経験が浅いドライバーでも扱いやすいマシンに仕上げられています。

ポルシェ 718ケイマン GT4

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「ポルシェ 718ケイマン GT4」は、長らくツーリングカーレース向けのマシンを制作してきたポルシェが、FIA-GT4向けに開発したマシンです。

天然繊維を採用したボディパーツをレーシングカーで初めて取り入れた1台であり、カーボンファイバーに引けを取らない軽さと高剛性を実現しています。

ポルシェが得意とする”水平対向”構造を採用した、3800cc6気筒パワーユニットは、6速デュアルクラッチトランスミッションとの組み合わせで、車体後方に搭載。

RR(リアエンジン・リアドライブ)レイアウトにより、路面へ伝わるグリップ力、トラクションのかかり具合は、FIA-GT4マシンの中でも特に優れている1台です。

トヨタ GRスープラ GT4

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「トヨタ GRスープラ GT4」は、トヨタが「TMG(TOYOTA Motorsport GmbH)」を通じて送り出す、FIA-GT4マシンです。

17年ぶりの復活を遂げ、”GR”の名を得たスープラをベースに制作されました。

3000cc直列6気筒ターボエンジンを収めたロングノーズと、軽量な天然繊維素材を各部パーツに使用したボディワークで、車重は1350kgと軽量。他のFIA-GT4マシンに勝る、ポテンシャルを秘めています。

まとめ

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スーパー耐久シリーズやニュルブルクリンク24時間耐久レースなど、多くのレースカテゴリーで走る姿を見る機会が増えた、FIA-GT4マシンたち。

トヨタもGRスープラGT4を制作し、本格的に参入しています。

手頃な価格、予算で走れるレーシングカーとして、今後流行することは必至。

みなさんも、FIA-GT4が放つ魅力と活躍に注目してみてはいかがでしょうか。