いよいよ2017年のモータースポーツが開幕。今年もスーパーGTやスーパーフォーミュラより早く、スーパー耐久シリーズが開幕。早速Gr.2の決勝レースがツインリンクもてぎで行われた。今季の注目は何と言っても新設されたST-Rクラス。先日スーパー耐久とTCRがパートナーシップを締結し、今後一番盛り上がるクラスに発展していく可能性も十分高い。今回はホンダシビックTYPE-RとアウディRS3 LMSがガチンコ勝負。その結果は、果たしてどうなったのだろうか。
新しい「買えるレーシングカー」TCR
ここ数年、FIA-GT3を中心に、メーカーがカスタマー向けに量産レーシングカーを開発。それを購入してレースに参戦するプライベーターチームが増えている。
TCRも、それと同様のカテゴリーで、今回はホンダシビックTYPE RとアウディRS3 LMSが計4台参戦。シーズン中にはフォルクスワーゲンのマシンが登場することが決まっているほか、来年以降も新しい車種が増えるのではないかという噂があるなど、注目を集めているカテゴリーだ。
ホンダシビックTYPE-Rは、一見WTCCに参戦しているマシンと同じように見えるが、全くの別物。しかしマシン開発を担当しているのはWTCCでお馴染みのJASモータースポーツ。かつてスーパーGTにも参戦していた童夢がメンテナンスを担当し2台がエントリー。元F1ドライバーの中野信治や元世界GPライダーの伊藤真一が参戦するほか、シーズン中には土屋圭一や道上龍も乗り込む予定だ。
アウディは、DTMなどレーシングカー開発部門であるアウディ・スポーツが製作したものを日本の2チームが走らせる。現地からもスタッフがやってきて、全力でサポートにあたる。こちらもスーパー耐久では経験豊富な田ヶ原章蔵や白坂卓也などが参戦。開幕戦から「ホンダvsアウディ」の一騎打ちとなった。
予選ではアウディが先行するも…決勝はホンダが圧勝
雨上がりの早朝に行われた予選ではアウディが先行。No.45 LIQUI MOLY RS3 LMSがポールポジションを獲得。まずは一歩リードしたかに見えたが、決勝が始まると完全にホンダのペース。
No.98 Modulo CIVIC TCRが好スタートを決めてクラストップに浮上。アウディとの差を広げにかかるが、コントロールライン通過前に他車を抜く「ジャンプスタート」をしていたとして痛恨のドライブスルーペナルティを受けてしまう。
これで再びNo.45アウディがトップに立つが、気がつけば背後にはNO.97 Modulo CIVIC TCRの姿が。14周目にトップに浮上すると、着実にその差を広げていった。
ここからアウディのペースが今ひとつ伸び悩んでいく。実は2台とも燃料系のトラブルを抱えており、それが原因でペースを思うようにあげられなかったのだ。
一方のホンダ勢は何の問題もなく周回を重ね、レース中盤にはワンツー体制を築く。さらにGr.2の総合トップをST-1のNo.31ポルシェがコースオフ。これで総合トップに浮上することとなった。
序盤から安定して走っていたNo.97シビックTYPE-Rのペースだったが、ペナルティ消化以降に燃費走行に徹してきたNo.98が後半に逆転。No.97はアンカーで中野が乗り込み、トップ奪還に向けプッシュしたが、わずかに届かず。No.98の黒澤琢弥/石川京侍/加藤寛規組がST-Rクラスの初戦で優勝。そのまま伊藤真一/海老澤紳一/中野信治のNo.97も2位に入り、ホンダ勢が見頃ワンツー。No.19BRP Audi MieRS3 LMS(奥村浩一/秋吉圭/山脇大輔)が3位となった。
まとめ
日本のみならず世界的にも注目を集めているTCR。今回も他クラスに参戦しているチームやドライバーがグリッドで両マシンを見に来ているのが印象的だった。
先述のとおり今後はフォルクスワーゲンをはじめ、様々なメーカーが参入してくることが予想されるクラス。もちろん、主役はカスタマーである参戦チームなのだが、それを強力にサポートするべく、各メーカーがスーパー耐久にも力を入れ始めているようだ。
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