年々注目度が上がっているスーパー耐久シリーズ。早くもシリーズ第2戦がスポーツランドSUGOで開幕。初日から白熱のバトルが展開された。今回はグループ分けが変更され、Gr.1がST-X、ST-TCR、ST-1、ST-2、ST-3クラス。Gr.2はST-4、ST-5という構成。このうち、Gr.2の決勝レースが行われ、今年のファイナルラップまで目が離せないバトルが繰り広げられた。
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スタート直前に雨?
今回はST-4、ST-5の2クラスのみ開催となったGr.2。合計27台がスターティンググリッドについた。
朝から晴天に恵まれ、夏日に迫るほどの暑さとなっていたが、スタート直前のウォームアップになると雲行きが怪しくなり、雨が降り出す。
このまま降り続けばウエットコンディションになるのではないかと、各チームも心配していたが、いざグリッドについてスタート時間を待っている間に、雨は止み、再び太陽が顔を出した。
今日からゴールデンウィークということで、スーパーGTやスーパーフォーミュラほどではないものの、スタンドには若者や家族連れのファンが観戦。14時20分に3時間の耐久レースがスタートした。
86号車が序盤から大量リードを築く
ポールポジションは、No.86TOM’S SPIRIT 86(松井孝允/蒲生尚弥/坪井翔)。予選では2位以下に対し合算タイムで1.6秒の大差をつける速さをみせ、今週末のマシンパフォーマンスの高さを証明した。
その勢いで、スタートからトップバッターを務めた松井が、ハイペースでリードを広げて行く展開。2番手にNo.55SunOasis田中建築スズバン86が追いかけたものの、その差は広がって行くばかり。40周を終えて11秒の大量リードを築いたところでピットイン。中盤スティントの坪井に交替した。
ここまでは、完全に86号車のペース。これで勝負ありか?と思われたが、このまま終わらないのがSUGOのレースだった。
痛恨のドライブスルーペナルティ!も…デビュー戦の坪井がカバー!
ここまで順調にトップを快走していた86号車だったが、まさかの事態が発生する。
1回目のピットストップ時に作業違反があり、ドライブスルーペナルティを裁定を受けてしまうのだ。
いくら大量リードを築いていたとはいえ、ペナルティ消化には約30秒ほどのタイムロスが見込まれる。そうすると、トップ維持も難しくなる状況だった。
ペナルティ通達後すぐにピットに入り、追い上げを開始。ステアリングを握っていたのは、スーパー耐久は初参戦となる坪井だったが、松井と変わらないほどの好ペースで周回し、トップの55号車に接近していく。
一方の55号車はピットストップのタイミングを変則的なものにし、59周目にピットイン。この時点で坪井は十分に逆転できるだけのタイム差まで詰めており、トップを奪い返した。
ここからは、完全に86号車のペース。1時間53分を経過したところで2回目のピットインを行い、アンカーの蒲生尚弥が乗り込んだ。
あとは、2人が築いたリードを落ち着いて走るだけ。着実に周回を重ねていった。
残り10分を切って2番手争いが白熱!そして…
86号車が独走する一方で、白熱したのが2番手争い。
全車2回のピットストップを終え、55号車がやや後方に沈み、代わって2番手に上がってきたのがNo.54TC CORSE iRacing ROADSTER(堤優威)。
レース後半は好ペースで周回していたのが功を奏し2番手に浮上したのだが、その背後から迫ってきたのがNo.13ENDLESS・ADVAN・86(小河諒)だった。
残り30分を切って、両者の差はみるみるうちに縮まり、残り10分で2秒差に。54号車の堤も、なんとか周回遅れのマシンをかき分けながら逃げたが、残り5分(110周目)に小河が背後につきロックオン。バックストレートから馬の背コーナーでインを伺った。
しかし、ここでは堤も踏ん張りサイド・バイ・サイドになることはなかったが、コーナー立ち上がりの際に13号車の小河がプッシング。これでバランスを崩した54号車の堤はイン側のガードレールにクラッシュ。なんとか復帰を目指したが、マシンダメージが大きく、そのままリタイアと悔しい結果になった。
なお、13号車にはレース後にドライブスルーペナルティ相当のタイム加算が行われ、ゴールタイムに35秒が加えられた。
86号車が今季初勝利!
結局、最後まで危なげない走りを見せた86号車が113周を終えたところで規定の3時間に達しフィニッシュ。今シーズン初勝利を上げた。2位にはペナルティを受けながらも、後続とのリードが大きかったため13号車がそのまま入り、3位には開幕戦を制したNo.93SKR ENGINEERING ings S2000が続いた。
今年の86号車は井口卓人の代わりに坪井が加入。開幕戦は全日本F3と重なっていたため、このレースが初戦となったが、初めてとは思えない堂々とした走りが印象的だった。
【ST-5クラスは、No.88村上モータースのロードスターが貫禄の走り】
ST-5クラスは、昨年同様にNo.88村上モータースMAZDAロードスターND(村上博幸/脇谷猛)がクラスポールポジションを獲得すると、スタートから順当に後続との差を広げ、最終的に2位に1周差をつけ圧勝。今季初優勝を飾った。
No.57ホンダカーズ桶川・V-BOX・セキショウFitが2位、3位にNo.2TEAM221 BOMEX with オートラボND5RCが入った。
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