市販モトクロスレーサー ホンダ CRF450Rを公道走行を可能にしたモデル、『ホンダ CRF450L』が発売されました。世界各地のモトクロスレースシーンで活躍しているCRF450Rをベースに開発されたレーシングモトクロッサー直系モデル!世界中のモトクロスレースで勝利を手にしてきたホンダCRFシリーズのトップエンドが公道に解き放たれた時、どんなパフォーマンスを発揮するのでしょうか。
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モトクロス競技専用マシンCRF450R/RXをそのまま公道へ!ホンダ新型CRF450L登場
ホンダはモトクロス競技専用マシン『CRF450R』とエンデューロ競技専用マシン『CDF450RX』を受注販売しており、世界中のモトクロスレースやエンデューロレースで大活躍。多くのオフロードファンの憧れのモデルとなっています。
しかし、競技専用マシンでは公道走行はできません。
そこで、CRF450R/RXをベースに公道走行可能な新型モデル『CRF450L』が誕生する事に!!
CRF450Lは保安部品の装着、排ガス規制に対応するマフラーの装着、普段の街中やツーリング走行に適応できるようトランスミッションやタンク容量のアップ、さらにエンジンの耐久性なども考慮されたチューニングが成されています。
スペックだけを見ればCRF450Rをデチューンしているようにも思えますが、モトクロスレーサーCRF450Rを普段でも思う存分楽しむための最適なセッティングとなっているのです。
ホンダCRF450Lとは
CRF450Lは、9月20日(木)にホンダが発表したオフロードバイクです。
ホンダのモトクロス競技専用モデル CRF450Rをベースに公道走行可能にするため車検に対応。
必要な保安部品を装備し、コンペティションモデルをそのまま公道で一般ライダーでも楽しめる1台となっています。
また、ホンダはCRF450Lの開発コンセプトを『Attack next trail』としており、オン・オフに構わずどちらでもオフロードバイクとしての最適なパフォーマンスが発揮できることを目標に開発。
従来のように、オフロードコースやトレイルを走る競技専用モデルを無理矢理車検対応にしたのではなく、オフロードやエンデューロの競技車両としても使える上で、街中での走行やツーリングの乗りやすさも加味した作りになっているのです。
CRF450Rとの部品流用率は70%!それでもCRF450L独自のこだわりが多数
CRF450Rのイメージを色濃く残すために、ベースモデルからCRF450Lへの部品流用率は70%とかなり高い割合となっています。
そして、残りの30%は公道走行に適応させるための車検対応や、快適性と耐久性を向上させるパーツに変更。
エンジン内のピストンやクランク、トランスミッションなどのパワートレインの主要部品にいたっても、CRF450Lオリジナル部品が開発されており、新設計となった30%の部品群はバイクの重要な部分に搭載されているのです。
実はエンジンがかなり変わっていた!
CRF450LのエンジンはCRF450Rの圧縮比を13.0から12.0に変更するために、ピストン形状を見直し、耐久性の向上と排ガス規制に十分対応できるよう、ピストンリングを2本から3本に変更しています。
そしてクランクシャフトは、クランクマスを約12%アップし低回転から粘り強い出力特性を発揮する形状に。
さらに、ロッカーアームは表面処理にDLC(Diamond-like carbon;ダイヤモンドライクカーボン)を採用。
DLCは主に炭素と水素で構成される非晶質のカーボン硬質膜で、摩擦を軽減する効果があるため、フリクションの低減に貢献しています。
また、CRF450Rは競技専用車両であるため、モトクロスコース走行に合わせた5速ミッションとなっていましたが、CRF450Lでは新しい6速ミッションを搭載。
6速にしたことで、高速道路や長距離移動での巡航時の快適性や燃費性能を向上。
部品素材にはCRF450Rと同じ高強度材を採用しているため、軽量・コンパクトなトランスミッションになっています。
タンクは軽量&高剛性なチタン製
今回、CRF450Rとの違いで注目したいのがフューエルタンクです。
法規対応と公道走行を考慮した上で容量を1.3L増加させ、CRF450Rと同じチタン製を採用。
容量をアップさせながらも、タンク単体重量はわずか406gの重量増にとどめています。
ホンダ・CRF450Lのスペック&価格
ホンダ・CRF450L | ||
---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 2,280×825×1,240 | |
軸間距離(mm) | 1,500 | |
最低地上高(mm) | 299 | |
シート高(mm) | 895 | |
車両重量(kg) | 131 | |
燃料消費率(km/L) | 国土交通省届出値(km/L) 定地燃費値 |
31.0(60km/h定地走行テスト値) <1名乗車時> |
WMTCモード値(クラス) | 25.7(クラス2) <1名乗車時> | |
エンジン型式 | PD11E | |
エンジン種類 | 水冷4ストローク単気筒OHC (ユニカム) 4バルブ | |
総排気量(cm3) | 449 | |
内径×行程(mm) | 96.0×62.1 | |
圧縮比 | 12.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 18[24]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 32[3.3]/3,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) | |
燃料種類 | 無鉛プレミアムガソリン | |
燃料タンク容量(L) | 7.6 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21M/C(51P) |
後 | 120/80-18M/C(62P) | |
価格(円) | 1,296,000 |
まとめ
CRF450Lのスペックは最高出力24馬力。
CRF450Rを公道仕様にしたモデルでありながら、物足りないパワーだと感じる方は少なくないと思います。
ちなみにCRF450Rの最高出力は公開されていないのですが、2010年モデルのCRF450Rが発表された当時は56.4馬力であったため、2018年モデルであればパワーアップして60馬力ぐらいにはなっているはず。
そうなると、かなりのパワーダウンとなるため、それでいてCRF450Rよりも高額な129万円というプライスにがっかりするかもしれません。(CRF450Rの価格:966,600円)
しかし、そのデチューンはCRF450Rの公道での操作性を向上させる最良のセッティング内容。
レーシングバイクのようなハイパワーを公道で発揮できるところは、ごくわずかです。
軽量ハイパワーのモトクロスバイクを所有する優越感もありますが、実際に公道で走れば危険な目に合う恐れも!!
そこでホンダが選択したのは、競技専用モデルのCRF450Rを世界中のユーザーに楽しめるバイクに作り変えることでした。
そのためCRF450Rのパワーの封印は、競技専用モデルと一般ライダーを繋げる最良のチューニングをいえるのです。
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