ホンダ インテグラ TYPE R

DC2/DB8型 1995~2001年

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写真は96spec前期型(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki)

1992年に発売されたNSX TYPE Rは、当時の新車価格で970万円。スポーツカーと言うよりスーパーカーと表現できるような価格でした。

そこに、EG型シビックとシャシーを共有するホンダのスポーティクーペ「インテグラ(3代目)」にTYPE Rのバッジを冠するモデルを1995年に発売。

当時の新車価格は228万円とNSX TYPE Rに比べて非常に安く、庶民にも買える初のTYPE Rとして注目を集めました。

とはいえ、そこはホンダのレーシングスピリットを注ぎ込まれたTYPE R。ノーマルに比べてNSX以上の動力性能の向上が成されています。

搭載エンジンは3代目インテグラのスポーツグレードであるSiRと同型のB18Cですが、TYPE Rではノーマルに比べ最高出力でおよそ20馬力のパワーアップB18C Spec-Rを採用。

エンジンの高回転化、高出力化に合わせトランスミッションもクロスミッションに、そしてトラクション向上のためヘリカルLSDを装備しました。

そしてNSX TYPE Rと同じく、チタン製シフトノブや専用メーターやレカロ社製バケットシートなどの専用インテリアに加え、エアコンやオーディオ、遮音材などの快適装備は削減され、代わりにボディフレームの鋼板は一部厚く補強。

走るためのシェイプアップを進めたクルマに仕上げられています。

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4ドアハードトップモデルであるDB8(出典:http://www.honda.co.jp/)

また2ドアクーペのTYPE R(DC2)に加えて、4ドアハードトップのTYPE R(DB8)モデルもラインナップ。

ハイパワーな高回転型エンジンに軽量なボディという組み合わせは世界最速のFFと賞賛され、高い評価を生み出しました。

また、モータースポーツの世界ではまだまだ現役であり、ジムカーナやダートトライアルでバリバリ活躍しています。

Photo by 法政大学自動車部

学生ジムカーナにて競技中のDC2 (Photo by 法政大学自動車部)

1995年式 ホンダ インテグラ TYPE R(DC2)

エンジン:B18C 直列4気筒1797ccDOHC16バルブ

最高出力:200ps/8000rpm

最大トルク:19.0kgm/6200rpm

車両重量:1080kg

車体寸法(全長×全幅×全高):4380×1695×1320mm

現在インテグラTYPE R(DC2)の中古車市場での価格は50万円~、4ドアのDB8の場合も同様に50万円~となっています。

 

DC5型 2001~2006年

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出典:http://www.honda.co.jp/

EP型シビックとシャシーを共有する4代目インテグラでもTYPE Rが登場。

4代目インテグラから新搭載したK20A型にTYPE R専用チューンが施され、ノーマルの160psから先代TYPE Rを上回る220psを発生。トランスミッションも6速マニュアルになっています。

ホンダ車初のブレンボキャリパーの採用などにより、安全装備の標準搭載などにより先代に比べて車重は重くなりましたが、依然として“世界最速のFF”と評価されました。

ホンダ主催のワンメイクレースや、スーパー耐久などのモータースポーツにも参戦して、活躍しています。

©︎Tomohiro Yoshita

©︎Tomohiro Yoshita

2001年型 ホンダ インテグラ TYPER(DC5)

エンジン:K20A 直列4気筒1998ccDOHC16バルブ

最高出力:220ps/8000rpm

最大トルク:21.0kgm/7000rpm

車両重量:1180kg

車体寸法(全長×全幅×全高):4385×1725×1385mm

現在DC5型インテグラ TYPE Rの中古車市場での価格は59.8万円~となっています。

 

ホンダ シビック TYPE R

EK9型 1997~2000年

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出典:http://www.honda.co.jp/

1997年、インテグラ TYPE Rに続きシビックにもTYPE Rのバッジが与えられました。

6代目シビックであるEK型をベースに、エンジン、足回り、そして軽量化が図られています。

搭載されるエンジンはB16B。

先代のEG型シビックやノーマルのEK4に搭載されるB16Aの改良型であるB16Bは、クランクシャフトのバランス取りやポート研磨により185psを発生します。

B16AとB16Bでは可変バルブタイミング機構であるVTECの切り替え回転数も違い、約5600rpmから6100rpmと高回転寄りに変更。

他の車種のTYPE Rなどと同様に、快適装備の削減による軽量化、そしてTYPE R専用のチタン製シフトノブやレカロ製シートなどの専用インテリアを装備しました。

DC2と同じくこのEK9も、ジムカーナなどのモータースポーツではまだまだ現役で活躍しているマシンです。

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全日本ジムカーナにて競技中のEK9(出典:http://www.advan.com/)

1997年型 ホンダ シビック TYPE R(EK9)

エンジン:B16B 直列4気筒1595ccDOHC16バルブ

最高出力:185ps/8200rpm

最大トルク:16.3kgm/7500rpm

車両重量:1070kg

車体寸法(全長×全幅×全高):4180×1695×1360mm

現在EK9型シビック TYPE Rの中古車市場での価格は59.9万円~となっています。

 

EP3型 2001~2005年

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DC5型インテグラとシャシーを共有する7代目シビック。

そのTYPE R仕様はイギリスにある現地法人による生産であり、いわゆる輸入車のような形態となっていました。

エンジンはこちらもDC5と同じK20A型エンジン、ただ最高出力はDC5より5psほど抑えられた215ps。

そして6速マニュアルを採用し、通常のマニュアル車に見られるようなフロアシフトではなく、インパネにシフトレバーを設置していました。

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このインパネシフトは元々AT用セレクトレバーのあった位置にMT用シフトレバーをそのまま換装したことによるものですが、慣れると左手の移動量も少なく、素早いシフトチェンジが可能だと好評でした。

全高が高くなり大柄になったような印象がありますが、実はホイールベースは先代に比べ50m短くなっており、コンパクトなボディに高回転型ハイパワーエンジンというTYPE Rのコンセプトを受け継いでいます。

2001年型 ホンダ シビック TYPE R(EP3)

エンジン:K20A 直列4気筒1998ccDOHC16バルブ

最高出力:215ps/8000rpm

最大トルク:20.6kgm/7000rpm

車両重量:1190kg

車体寸法(全長×全幅×全高):4135×1695×1430mm

現在シビック TYPE R(EP3)の中古車市場での価格は52万円~となっています。

 

FD2型 2007~2010年

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8代目シビックであるFD型は4ドアセダンのみ日本で販売されました。

したがってインテグラTYPE R(DB8)以来の4ドアのTYPE Rとなります。

これまでのは3ドアハッチバックが採用され続けてきましたが、この変更により使いやすさの面で向上。世帯持ちのユーザー層などをも新たに獲得しました。

ですが、走りの面ではでもファミリー向けになったわけではありません。

エンジンはK20A型ですが、インテグラTYPE R(DC5)に搭載されていた時よりも更に最高出力を向上させ225ps。

他にもブレンボ製キャリパー、ブレーキ冷却用ダクト、そしてついに18インチに達した大径ホイールに専用コンパウンドのタイヤなど、様々な走りのための装備が採用されています。

2007年型 ホンダ シビック TYPE R(FD2)

エンジン:K20A 直列4気筒1998ccDOHC16バルブ

最高出力:225ps/8000rpm

最大トルク:21.9kgm/6100rpm

車両重量:1270kg

車体寸法(全長×全幅×全高):4540×1770×1430mm

現在シビック TYPE R(FD2)の中古車市場での価格は105万円~となっています。

 

FN2型 2007~2012年
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出典:http://www.honda.co.jp/

ヨーロッパ向けに販売されているフィットのシャシーを使用するFN型シビック。

そのTYPE R仕様がFN2型シビック TYPE R EUROとなります。

EUROの名前が指し示す通り、FN型は欧州向けモデルであり、EP3型TYPE Rと同じくイギリスで生産。

2009年に2010台、2010年に1500台が限定販売されました。

2010年型 ホンダ シビック TYPE R ユーロ(FN2)

エンジン:K20A 直列4気筒1998ccDOHC16バルブ

最高出力:201ps/7800rpm

最大トルク:19.7kgm/5600rpm

車両重量:1320kg

車体寸法(全長×全幅×全高):4270×1785×1445mm

 

FK2型 2015~2016年

Photo by Yoshita

Photo by Tomohiro Yoshita

ホンダの最新最強TYPE R、それがFK2型シビック TYPE Rです。

北米や欧州でのみ販売されている9代目シビックであるFB型をベースとしています。

軽量コンパクトなボディに、VTECを有する高回転型NAエンジンを搭載するというのがこれまでのTYPE Rでしたが、このFK2型からは2リッターVTECターボエンジンを搭載。

ターボ過給により2リッターながら最高出力は310psに達し、最大トルクも40.8kgmと、エンジンのスペックではこれまでのTYPE Rと一線を画すものに。

車重は1380kgとこれまでに比べて大分重くなってしまいましたが、その分を余りあるパワーでカバーし、ドイツのニュルブルクリンクでは7分50秒というタイムを記録しました。

FK2型シビックは750台の限定販売で、商談申し込み権を得るための抽選が行われ、その倍率は10倍を超えていたとか…。

もちろん、現在既に完売しています。

2015年型 ホンダ シビック TYPE R(FK2)

エンジン:K20C 直列4気筒1995ccDOHC16バルブ

最高出力:310ps/6500rpm

最大トルク:40.3kgm/2500rpm~4500rpm

車両重量:1380kg

車体寸法(全長×全幅×全高):4390×1880×1460mm

 

アコードのTYPE R!?ユーロRとして販売されたクルマ達

アコードと言えば、ホンダのミドルクラスセダン。

これまで紹介してきた硬派なTYPE R達からは想像しにくいかもしれませんが、そんなアコードにもTYPE Rと同等と言えるアコード ユーロRというグレードがあったのです!

CL1型 2000~2002年

https://ja.wikipedia.org/wiki/

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

6代目アコードに設定された最上級スポーツグレード。

欧州では既にTYPE Rとして販売されおり、それの日本仕様版とも言えるのがこのユーロRです。

エンジンはプレリュード TYPE Sに搭載されていたH22A型を搭載。

他のシビックやインテグラのTYPE Rと違い走行フィーリングなどはマイルドに仕上げられているが、レカロ社製バケットシートやモモ社製ステアリングホイールなどのTYPE Rのアイコンとなるインテリアを装備しています。

2000年型 ホンダ アコード ユーロR(CL1)

エンジン:H22A 直列4気筒2156ccDOHC16バルブ

最高出力:220ps/7200rpm

最大トルク:22.5kgm/6700rpm

車両重量:1330kg

車体寸法(全長×全幅×全高):4680×1720×1405mm

現在アコード ユーロR(CL1)の中古車市場での価格は36.8万円~となっています。

 

CL7型 2002~2008年型

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CL7型アコード ユーロRは、7代目アコードの発売当初から設定されていました。

エンジンは先代のH22Aに替えてK20A型エンジンを搭載。

DC5型インテグラやEP3型インテグラと同じエンジンですが、こちらはバランサーシャフトを装備しており、静粛性に優れています。

上質な足回りのセッティングに静粛性を高めたK20A、そして向上したシフトフィールなども相まって、走りと居住性を高いバランスで両立させており、ユーロRを体現しています。

2002年型 ホンダ アコード ユーロR(CL7型)

エンジン:K20A 直列4気筒1998ccDOHC16バルブ

最高出力:220ps/8000rpm

最大トルク:21.0kgm/6000rpm

車両重量:1390kg

車体寸法(全長×全幅×全高):4665×1760×1450mm

現在アコード ユーロR(CL7)の中古車市場での価格は45万円~となっています。

 

まとめ

如何だったでしょうか!

ホンダがこだわり抜いて作り上げたTYPE R達。

その搭載される専用チューンのVTECエンジン、そして足回りはホンダがF1やツーリングカーといったモータスポーツの最前線で培った技術をフィードバックしつぎ込んで開発したもの。

TYPE Rはホンダのレーシングスピリットを最も色濃く受け継いだ究極の市販車であり、だからこそ生産終了となったモデルは今でも多くのクルマ好きを惹きつけ、魅了するのです。

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