Lancia Rally 037

 

出典:http://www.mad4wheels.com/models/1983_Lancia_037_rally/detail_image.asp?id_pic=335875

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既にアウディ・クアトロが4WDの圧倒的優位性を見せはじめていた1982年の世界ラリー選手権・WRCに、76年以来となる念願のワークス参戦を果たしたランチア・ラリーチーム。

そしてランチア・ストラトスで得たミッドシップレイアウトの反省とノウハウを詰め込んだのが、このランチア・ラリー037です。

まさかのピニンファリーナデザインによる流麗なデザインと、2.1リッター直列4気筒スーパーチャージャーユニットによる凶暴ともいえるパワーの甘美なギャップを持ちながら、ターマックでは4WD勢を圧倒し1983年のマニュファクチャラー・タイトルを獲得。

ミッドシップレイアウトでのタイトル獲得は、グループB最後の2輪駆動マシンでの王座獲得となりました。

マルティニは世界メーカー選手権で既にタッグを組んでいたランチアへのサポートをWRCでも行うことになり、ラリーでのいわば「ランチア・ワークス栄光の10年」を支えるベスト・パートナーとなるのでした。

 

Lancia Delta HF Integrale

 

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Delta_gruppo_A.jpg

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グループBによる世界ラリー選手権が1986年を以って終焉を迎え、新たな時代を担うことになった市販車ベースのグループA・ラリーカー。その中にあって最強の名を欲しいままにしたのがやはりランチアでした。

ランチア・デルタHFインテグラーレは、デルタの4WDモデルをベースとしつつ、ワイドトレッドタイヤ装着の為に迫力のブリスターフェンダーを装備。また冷却効率向上を狙い、特徴的なエアインテークがフロントバンパーに所狭しと空いています。

そして物々しいスパルタンなオーラを纏いつつも、どこかに品の漂うそのスタイリングは…何を隠そう偉大なる巨匠・ジウジアーロ率いるイタル・デザインの手によるものです。

そんなデルタ・インテグラーレは、デビューイヤーである1987年から恐るべきポテンシャルを発揮。

ユハ・カンクネン、ミキ・ビアシオン、マルク・アレンの3人がドライブするマルティニ・カラーのランチアが年間ランキング3位までを独占する快挙を成し遂げ、マニュファクチャラー・ランキングも2位のアウディにほぼダブルスコアの圧倒的大差をつけて圧勝しています。

更に恐るべきは、ランチアがWRCのワークス活動を終了させる1992年まで、ついぞマニュファクチャラーズチャンピオンを一度も譲らず、6年連続のチャンピオンを手中に収め続けた事です。

白地のマルティニ・ストライプが、いよいよ常勝チームだけが纏うことを許される”栄光のカラーリング”として定着したのは、ランチアのこの功績が非常に大きかったとも言えるでしょう。

 

Ford Focus WRC

 

出典:https://www.youtube.com/

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裏を返せば…マルティニカラーを背負うことは、勝利への重圧を背負うことでもあります。

1999年、フォードはWRCに従来型のグループAマシン・エスコートに代わり、このフォーカスWRカーを投入します。

当時、フォーカスは世界戦略の要であり、WRC参戦でその走行性能をアピールすることは大きな使命でした。

よって莫大な開発費予算とともにスポンサーも一新され、勝利への多大な期待とともに伝統のマルティニカラーをまとうことになったのです。

ドライバーも、スバルの顔だったコリン・マクレーを起用しまさに万全の体制。

しかし、今でこそ猛威を振るうハッチバック・WRカーの先駆けだったフォーカスは当時は開発途上であり、三菱・スバル・トヨタの牙城を崩すことは叶わず2勝のみでシーズンを終えたのでした。

翌年は急速に力をつけてきたプジョー206WRCの台頭で三菱・スバルへのリベンジは果たすもマニュファクチャラータイトルはプジョーが奪取。

結局、マルティニとのジョイントが続いた2003年シーズンまですべてプジョーの後塵を拝することになるのでした。

ちなみに、フォードは参戦以来の勝利回数ではランチアに次ぐ第2位の記録を持っています。

 

Alfa Romeo 155 V6 TI

 

出典:http://www.alfaromeomuseum.com/

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忘れてはならない強烈なマルティニ・マシンがまだまだありました。

1995年のドイツ・ツーリングカー選手権・DTM。アルファロメオのワークスチームがマルティニのスポンサードを受けることになり、美しきイタリアン同士のコラボレーションが実現したのです。

とはいえこの155V6TI、 V型6気筒2,498 ccでNAという一見平凡なスペックながら450馬力を叩き出す恐るべき超高回転エンジンに、F1顔負けのセミオートマチックミッションにフルタイム4WDを搭載したまさに超ハイテク・モンスターでした。

ハイテクデバイスの規制がメーカー同士の紳士協定以外はほとんど存在しなかった為、DTMが消滅し国際ツーリングカー選手権・ITCとして争われた1996年には、更なる最終進化を果たしています。

ラジエーターグリルの開口部を変化させるシャッター式の可動式空力デバイスに、車体下部もフラットボトム規制が存在しない為完全なベンチュリー構造となり、F1ですら果たし得ない完全なるウイング・カーとなったのです。

1995年シーズンは苦戦したものの、1996年のITCにおいてはメーカー最多の10勝を挙げる成功を収めます。

中でも1993年からアルファのワークスドライバーを務めていたアレサンドロ・ナニーニがシーズン7勝を記録しました。

同じくアルファ・ワークスチームに所属していたニコラ・ラリーニを加え、元F1パイロットが2人もステアリングを握ったマシンとしても印象深いマシンです。

 

Williams FW38

 

出典:http://www.williamsf1.com/racing/about

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ここ最近のフォーミュラ1では、嬉しいトレンドとして「往年のカラーリングへのオマージュ」が流行しています。

2014年、名門ウィリアムズとマルティニがタッグを組んだことにより、ウィリアムズ・マルティニ・レーシングとしてF1に伝統のカラーリングが復活。

90年代初頭のような常勝というほどのチームではなくなったウィリアムズですが、ここ数年はメルセデス・エンジン供給も相まって登り調子といえるでしょう。

もちろんレーシングスーツやポロシャツ、クルーたちのウェアに至るまでマルティニのロゴにストライプの入ったデザインなわけなのですが、きっとよそのチームは相当羨ましいのではないか…と推測できます。

それにしても、最新テクノロジーの結晶である現代のF1に、ここまで純白のマルティニ・カラーが似合ってしまうのが驚きです。

もとい、このカラーリングは機能美を追求したレースカーにとことん、相性が良いのかもしれません。

 

まとめ

 

各カテゴリーをまたいでのマルティニ・カラーの名車たち、いかがでしたでしょうか。

マルティニとともに成長したポルシェは別として、後年はその絶対的なブランド故、背負うものは勝たねばならないという重圧もまたやはり大きかったのではないかと思われます。

しかし2016年の今、サーキットを駆け抜けていく古き良きマルティニ・カラーは、ピュアなレースへの情熱を呼び起こしてくれる存在です。

そんな熱い気持ちを知ってか、ポルシェはフラッグシップである918スパイダーのプロトタイプに、マルティニカラーをあしらって見せたりしてくれています。

 

出典:http://press.porsche.com/news/release.php?id=721

出典:http://press.porsche.com/

 

これからもサーキットで新たなドラマが生まれる時には、このマルティニ・カラーが華を添えてくれるに違いありません。

そしてぜひともマルティーニのスプマンテで一杯やりながら、本場の粋なモーターレーシングを観戦してみたいものです。

 

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