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日本勢が必死に追いかけた巨人たち、世界のグループCカー!
Porsche 962C

出典:https://pinterest.com/
1985年のグループC安全規定改定に適合するため962をベースに改良されたのが962Cです。
1980年代、ポルシェに数々の栄光をもたらし、世界中のメーカーがお手本とした伝説のグループCカーと言えます。
エンジンは3リッター水平対向6気筒ツインターボエンジン(1988年仕様)で、予選用ハイブースト仕様では1000馬力を発揮していたと言われており、ル・マン24時間耐久レースでは最高速394Kmを記録。
1985年は962Cのル・マン参戦初年度となりましたが、エンジンマネジメントシステムのセッティング不良によって本来の性能を発揮できず3位表彰台となっており、先代型の956にトップの座を奪われています。
翌1996年のル・マンでは、排気量アップした新エンジン投入の効果もあり、ジャガーやメルセデスとの超高速バトルを制して1・2フィニッシュを達成。
この年のポルシェは、なんと10位中9台がポルシェ製グループCカーという偉業を成し遂げました。
特にロスマンズカラーの962Cは有名だったため、当時プラモデルやラジコンを買ったモータースポーツファンは多かったのではないでしょうか?
関連:ポルシェが絶対にレースを辞めない理由とは?耐久王ポルシェが、ルマンを制した究極のマシンに迫ります。
Sauber C9 (Mercedes)

出典:http://www.ultimatecarpage.com/
1987年、スポーツカー世界選手権参戦に向けてザウバーチームが製作したグループCカー。
シルバー塗装の車体にメルセデスのエンブレムが輝くマシンは、「シルバーアロー」の異名を持ちます。
エンジンは5リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、1989年の本戦使用で720馬力を発生。
他車の傾向を見ると、おそらく予選仕様では800馬力を超えていたのではないでしょうか。
この当時のライバルが予選仕様で1000馬力を発生していたのに対し、ザウバーC9は強大なトルクで応戦しました。
分割前のユノディエール(ル・マン名物の長い直線)において決勝レース中に時速400Kmを達成した事からも、いかに強力なエンジンであったかは明白です。
1989年のル・マンでは予選・決勝共にで1・2位を独占して見事優勝。
メルセデスに37年ぶりの勝利をもたらしました。
Jaguar XJR-9

出典:http://onlymotors.com/
1988年の世界スポーツプロトタイプカー選手権(以下WSPC)とIMSA向けにトム・ウォーキンショー・レーシング(以下TWR)が製作し、ジャガーワークスチームとして参戦したグループCカー。
ジャガーの市販車XJ-Sのエンジンをベースとした7リッターV型12気筒自然吸気エンジン(WSPC仕様)が搭載され、760馬力を発生しています。
1988年のル・マン24時間耐久レースには5台のXJR-9を投入し、盤石の態勢で挑みました。
ジャガー5台、ポルシェ3台にハイスピードバトルが長時間にわたって繰り広げられ、最終的にポルシェの猛追を振り切ったXJR-9が優勝。
ジャガーに31年振りとなる勝利をもたらしました。
この年はWSPCでもザウバーメルセデスとの死闘を制してチャンピオンを獲得し、IMSAの開幕戦であるデイトナ24時間耐久レースでも優勝を果たしています。
関連:WSPCやル・マンで活躍したシルクカットジャガーが日本にやってきた!XJR-8&9の走りに密着!
Peugeot 905 Evolution 2

出典:http://www.lemans-models.nl/
1991年のスポーツカー世界選手権参戦に向けて製作されたのがプジョー905です。
3年間で様々なバージョンが製作され、第2世代となるエボリューション1が1992年・1993年のル・マン24時間耐久レースで優勝を飾りました。
今回ご紹介するのは最終形態とも言えるエボリューション2。
1992年シーズン終盤に実戦投入されましたが、結局は決勝レースを走ることなく引退するという数奇な運命を辿ります。
あまりに先進的なデザインであったことから「最も醜いグループCカー」とも評されましたが、現代のプロトタイプカーに通ずるようなフロントデザインが施されており、もう少し後に登場していたら…と思ってしまいます。
エンジンは3.5リッターV型10気筒自然吸気エンジンを搭載し、700馬力以上を発生。
そのサウンドは楽器のように美しく、F1にも負けない素晴らしいものでした。
まとめ

出典:http://www.groupcracing.com/
レース専用に開発された度肝を抜く大パワーマシンが魅力のグループCでしたが、1991年のレギュレーション変更(エンジン規定がF1と共通化)によってバランス重視のマシンが登場。
それまでグループCの人気を支えていた暴れん坊マシンたちは姿を消し、参戦メーカーが相次いで撤退してしまいます。
これが直接的な原因となり、グループCは一気に衰退していったのです。
しかしながら、バブル景気と共に盛り上がったグループCは現在でも絶大な人気を誇っています。
当時活躍したマシンの数々はプライベーターの元にわたり、ヨーロッパ各地で開催されているクラシックカーレースで現役時代さながらの走りを披露しているようです。
今も色褪せることのないグループCカーは、いつまでも私たちモータースポーツファンの憧れとして輝き続けることでしょう。
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