ドゥカティ ハイパーモタードが、大幅なマイナーチェンジを敢行。といっても新旧で見比べてみると、フルモデルチェンジ級の内容で、従来モデルよりもスパルタンな味付けになり、操作する楽しさを思う存分味わえそう!モデル名に『ハイパー』がつくだけに、その凄さはどんなものか気になってしまいます。

© 2018 Ducati Motor Holding S.p.A

 

新型ハイパーモタード950はフルモデルチェンジ級の改良で更なる高みへ

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2018年11月5日〜11日に開催されていた『EICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)』の前日11月4日に地元イタリアのバイクメーカードゥカティは『ドゥカティ ワールド プレミア2019』を開催。

その場でEICMAに先駆けて、新型ハイパーモタード950を発表しました。

『ハイパーモタード950』は、言わばハイパーモタード939のマイナーチェンジ版。

しかし、エンジンこそ据え置きなれど、フレームや排気系、足回りを見比べれば、939時代から大幅に変更が加えられており、内容はフルモデルチェンジ級となっています。

さらに、通常モデルより高価なパーツが装着されたハイパーモタード950SPは、ワンランク上のスポーツ性能を求めるライダーでも充分に満足できるモデル。

日本での発売は、2019年5月からを予定されています。

 

ドゥカティ・ハイパーモタード950とは

ドゥカティ・ハイパーモト / Photo by Iain

ドゥカティ ハイパーモタードの初期モデルは、2005年11月に開会されたEICMAで発表され、1,078cc空冷L型2気筒エンジンを搭載したビッグモタードモデル、『ハイパーモタード1100』として2007年に発売されました。

その後、2009年には803cc空冷L型2気筒エンジンまでスケールダウンさせた『ハイパーモタード796』を発売しますが、2013年に821ccの水冷エンジンにを搭載した車両に統一。

ハイパーモタード/ハイパーモタードSP/ハイパーストラーダの3モデルを設定します。

また、2016年には937ccまで排気量を上げ、モデル名は『ハイパーモタード939』となり、今回のマイナーチェンジでハイパーモタード950へモデル名を変更しました。

 

ドゥカティ・ハイパーモタード950の特徴は

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ハイパーモタード950は、従来の939に搭載されていたものと同じ、937ccテスタストレッタ11°L型2気筒エンジンを搭載するものの、最高出力は6馬力アップされて114馬力を発揮。

最大トルクは、1N・mアップの96N・mを達成しています。

トルク性能はスペック上では若干変わる程度ですが、3,000rpmでトルクの8割を発揮するなど扱いやすさが改められました。

フレームは、トラスフレームの改良やシートレールもトラス状に変更したことで、車体のスリムアップを果たし、車重は939より4kgの軽量化に成功。

ライディングポジションを見直すために、タンクを16リットルから14.5リットルまでコンパクトにし、シートをフラットで長く、ハンドルバーを従来よりも幅広にしたことで、操作性の向上が図られています。

電子制御にはボッシュ製コーナリングABS EVO、ドゥカティトラクションコントロールEVO(DTC EVO)、ドゥカティウィリーコントロールEVO(DWCEVO)、ドゥカティマルチメディアシステム(DMS)を搭載。

その中でも、ボッシュ製6軸慣性測定ユニット(6D IMU)を追加したのが大きなポイントで、ピッチ、ロール、ヨーの角度・加速度を全て検出する6軸センサーにより、走行中の車体の姿勢を正確に計測。

トラクションコントロールやウィリーコントロールは、6D IMUから送り込まれた情報により電子制御を行います。

 

ドゥカティ・ハイパーモタード950SPの特徴

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ハイパーモタード950SPでは、フルアジャスタブルのリーンアングルを3°増加させたオーリンズ製サスペンションや、アップ/ダウン双方に使えるクイックシフター『ドゥカティ クイック シフト アップ/ダウンEVO(DQS EVO)』、マルケジーニ製鍛造ホイールが装備。

スポーツ性と操作性をより高めるために、通常モデルからよりフラットなシートが装着されています。

価格は従来モデルより45万円アップの210万円となりました。

 

ドゥカティ・ハイパーモタード950/950SPのスペック

ドゥカティ・ハイパーモト950SP / © 2018 Ducati Motor Holding S.p.A

ドゥカティ・ハイパーモト950 / © 2018 Ducati Motor Holding S.p.A

ハイパーモタード950 ハイパーモタード950SP
全長×全幅×全高(mm) 未公開 未公開
ホイールベース(mm) 1,493 1,498
シート高(mm) 870 890
乾燥重量(kg) 178 176
タンク容量(ℓ) 14.5 14.5
エンジン種類 水冷4ストロークL型2気筒デスモドロミック4バルブ 水冷4ストロークL型2気筒デスモドロミック4バルブ
総排気量(cc) 937 937
ボア×ストローク(mm) 94.0×67.5 94.0×67.5
圧縮比 13.3:1 13.3:1
最高出力(kW[hp]/rpm) 84[114]/9,000 84[114]/9,000
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) 96[9.8]/7,250 96[9.8]/7,250
トランスミッション 6速 6速
タイヤ 120/70ZR17 120/70ZR17
180/55ZR17 180/55ZR17
価格(円) 1,650,000 2,100,000

まとめ

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ハイパーモタード950はモタード競技に出場するようなレーサーベース車両とは方向性が違いますが、ドゥカティならではのハイパワーのテスタストレッタ11°L型2気筒エンジンを高い操作性のモタードで操れる、ファン ライド バイクです。

ワイディングで流すのも良し、モタード競技が行われるようなショートコースでリアタイヤをスライドさせながら走るのも良し、さらにはフルサーキットのコーナーで膝を擦りながらSSバイクを追い掛けまわすことだって出来てしまいます。

乗り方や楽しみ方は無限大!そんなハイパーモタード950は、どんな環境でも高い次元で速く走れてしまう、驚くべきポテンシャルを秘めているのです。

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