バイク愛好家であれば、バイクに乗る時は安全な服装や装備を身につけたいところ。しかし、これから暑くなるにつれ、ついつい軽装になることもあると思います。そこでビギナーからベテランまで、バイクに乗るときに適切な服装やライディングギアを、今一度確認してみましょう。
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バイクで公道を走る時の基本的な服装の決まりをおさらい
YouTubeなどでバイク走行をしている動画を見ていると、半袖半ズボンの軽装、中には水着で乗っている方なども見かけます。
しかし我々が住んでいる日本では、バイクに乗るときの安全装備や服装で定められている部分がいくつかあるのですが、法律で定められているところや、そうでないところなど把握できていない曖昧な部分も多数。
そこで、今一度バイクに乗るうえで適切な服装や、法律上の決まりなどをおさらいしたいと思います。
ヘルメット装着は義務!バイクに乗るうえで適切なヘルメットとは
バイクに乗るうえでヘルメットの着用が義務だということは言うまでもありませんが、一概にヘルメットと言っても『道路交通法』で定められた以下の基準を満たすものでなければなりません。 ・上下左右で十分な視野を得れること
・風圧で、ひさしの変形や垂れて視野を妨げることのない構造であること。
・ヘルメットを着用して著しく聴力が損なわれないこと。
・衝撃吸収性や耐貫通性があること。
・ヘルメット着用時に、衝撃で脱げないための固定できる顎ひもがあること。
・重量が2kg以下であること。
・人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。
もし上記基準を満たしていないヘルメットの場合は、違反で減点になります。
たとえば顎ひもが付いていても、取れてしまった状態で使用したりすれば違反の対象なので注意が必要です。
【バイクコラム】
バイク用ヘルメットのルールを再確認!
SGとPSCが貼ってないヘルメットは違反?∑(゚Д゚)https://t.co/Q1DqFqWq7N pic.twitter.com/FGfZe0gm9O
— Accela@バイク情報 (@PutiMotor) 2017年2月13日
これら基準を満たすヘルメットであれば、どんなヘルメットでも公道走行が可能といえますが、『衝撃吸収性や耐貫通性がある。』という判断基準は、証明されるマークがなければわかりません。
それを判断する基準が『PSCマーク』や『SGマーク』。
バイク用ヘルメットとして安全性を満たしているものには、PSC/SGマークがついており、道路交通法の基準を満たしている証明になっているのです。
しかしPSC/SGマークがついていないからといって、衝撃吸収性や耐貫通性がないとは言い切れないため、PCS/SGマークがついていないヘルメットを使用したことで違反になるとは限りませんが、商品を購入する時の1つの明確な基準としてPSC/SGマークがついているバイク用ヘルメットを考慮する事をおススメします。
また、PSC/SGマーク以外に、さらに高い安全性能や使用する用途に沿った安全規格を示すマークが存在します。
安全規格 | 概要 | 規格内容 |
---|---|---|
JIS | JIS(日本工業規格)が定めた安全規格をクリアしたもの。 | SGよりも厳しい性能テストが行われている。 |
SNELL | 非営利的機関『スネル財団』が定める規格。現在は『SNELL M2010』。 | 世界で最も厳しい安全基準で5年ごとに内容が更新。海外製ヘルメットについていることが多いですが、PSC/SGマークがなく日本の公道使用に適さない場合もあるので注意が必要です |
MFJ | MFJ(財団法人日本モーターサイクル協会)が定めた競技用規格。 | 競技用ヘルメットとして定めた規格を通過したもの。MFJ公認バイク競技であれば必須。 |
上記も、安全性の高いヘルメットとして信頼できる基準の1つなので、是非参考にしてみてくださいね。
肌の露出は厳禁?法律上長袖・長ズボンは決まりなのか?
バイクに乗るときは、長袖・長ズボンの装着が必須とされていますが、法律上で決められている訳ではありません。
実際に夏場になれば、街中を半袖半ズボンでバイクに乗っている方もみられます。
そもそも、なぜ長袖長ズボンが必須とされているかというと、素肌が露出した服装では転倒した時に大きな怪我になる可能性が高いからです。
例え自転車でこけたとしても擦り傷や切り傷をおってしまうこともあるため、バイクの速度域であればかなりの負傷になるのは当然。
病院で数十針を縫ってしまうような傷になることもあり、骨が剥き出しになるような一生消えない傷になる恐れも。
それを考えれば、半袖半ズボンでバイクに乗るのは大怪我のリスクが高まります。
原付から大型2輪車まで、どんなバイクであっても長袖長ズボンが必須とされるのはそのため!
また、サイドカーやトライクといった転倒リスクが通常の2輪車よりも少ない車両であっても、長袖長ズボンの着用をおススメします。
グローブは手の保護だけでなくハンドルのグリップ力にも貢献
バイクに乗るうえで、グローブの着用は法律で定められていませんが、もちろんグローブを着用する事をおススメします。
冬になれば防寒対策としての役割も果たすため、ほとんど方がグローブを着用してバイクに乗りますが、それ以外の時期ではメンドクサイなどの理由でグローブを着用しない方も少なくありません。
しかし、バイクで転倒した時、手を負傷する可能性が非常に高い事はご存知でしょうか?
それはバイクでの転倒時に人間は、反射的に手を地面に突こうとするからです。
バイクで転倒して手のひらを地面に突いたとしても、ライダーのダメージを低減できません。
逆に手のひらが血まみれになるほど大きな傷を負ってしまいます。
それだけではなく、ハンドルレバーなどに挟まってしまい、そのまま転倒するなどのリスクもゼロではありません。
また、ライディンググローブは手の保護だけでなく、的確な操作を行うための役割も果たします。
例えば、ハンドルと手のグリップ力を高め、的確なアクセル・ブレーキ・クラッチ操作を行うことにも役立つのです。
これらを考えれば、バイクに乗るときは常にグローブを装着するべき理由を理解して頂けるのではないでしょうか。
ブーツ装着は任意だが、サンダル・ヒールは絶対ダメ
バイクで公道を走る際、ブーツの装着は義務化されていません。
教習時の実技教習を受けるときは、長袖長ズボンとグローブ、ブーツの装着が義務付けられているような説明を受けますが、免許を取得してから公道で乗るときは、それらを装着していなくても警察官から止められることはないのです。
逆に街中ではブーツを装着していない方のほうが多いかもしてません。
たしかに通勤通学や買い物などの移動に、わざわざブーツを履くのは面倒。
街中で歩く時はシューズに履き替えるとしても荷物がかさばってしまい、ツーリング以外でバイクに乗る方にとってはブーツ着用は面倒なことが多々。
しかしスニーカーの場合、紐がほどけてしまうとチェーンやスプロケットに絡んでしまう恐れがあります。
また、転倒した際にガード力が少ないため大怪我をするリスクも。
さらに、スニーカーで左足のシフトチェンジ操作を行うと、靴が傷んでしまうことをしばしば。
よりバイクを安全に楽しみたいと考えれば、バイク用ブーツを履くことに越したことはないのです。
一方、ブーツが義務化されていないとしても、何を履いても違反にならないというわけではありません。
都道府県ごとに定められている『道路交通規則』の中には、ゲタ、サンダル、ヒールなどバイクの運転に支障があるものは禁止されているところも多くあります。
これに反すると『公安委員会遵守事項違反』で罰金が課せられることも!!
たとえ、マニュアル操作のないスクーターであっても、ゲタ、サンダル、ヒールなどでバイクに乗るのは絶対にやめましょう。
音楽を聴くためイヤホン装着は法律違反なのか
スマートフォンの普及で、どこにいても音楽アプリや動画アプリで音楽を聴くことができるようになりました。
しかし、イヤホンを耳に装着したままバイクを運転することは違反ではないかという声もよく聞かれます。
実際に道路交通法でイヤホン装着して運転してはいけないという具体的な定めはありませんが、周囲の音が聞こえづらくなる事は事実。
一方で、ヘルメット内蔵のスピーカーで音楽やラジオを聞くのは合法とされています。
これは、白バイ隊員のヘルメットに無線用マイクとスピーカーが内蔵されている事も当てはまる法律!
この違いは、バイクの運転に支障が出るか出ないかというところだそうで、カナル型イヤホンやインナーイヤー型イヤホン、また耳を覆うヘッドホンなど周囲の音を妨げて音楽を聴くものは、クラクション、パトカー・救急車・消防車などのサイレン音が聞き取りづらくなり、安全な運転の支障が生じる為NG。
片耳だけイヤホンを装着すれば、周囲の音を聞きつつ運転できるためO,Kとされていますが、否定的な意見や警察官に止められてしまったという事例も聞かれます。
スピーカーを内蔵したヘルメットは、周りの音の障壁になりにくいという面で合法とされていますが、この辺りは曖昧な部分が多数なのが現実です。
ちなみに、各都道府県が定める『道路交通規則』では、以下のような内容が示されています。
東京都道路交通規則 第8条(3)
高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。
ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。引用元:http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012199001.html
上記は東京都のものですが、多くの都道府県で同じような内容が記載されています。
パッと見で『イヤホーン』が出てくるため使用禁止だと思ってしまいますが、『交通に関する音又は声が聞こえないような状態』というところに着目すれば、外部の音が聞こえる状態なら、イヤホンの使用も可能であるという事。
しかしバイクを運転する時に音楽を聴きたい場合は、ヘルメット内蔵用小型スピーカーなどバイク専用のものを使用し、運転に支障がない音量で聞くことがおススメ。
片耳のみのイヤホンや骨伝導型イヤホン、ネックレス型スピーカーなどは、片耳を塞いでしまい通常時より聞こえてくる音の量が少なくなることを加味すれば、使用を控えた方がよいかもしれません。
まとめ
ツーリングではしっかりとした装備をしつつも、ちょっとした買い物や通勤通学だとついつい軽装になってしまうバイク。
特に街中で125cc以下の原付・原付2種などに乗っている方を見ると、かなり軽装備な方が多くみられます。
しかし、「周りがそうしているから・・・。」という考えではなく、万が一の転倒や事故を考えて服装に気をつけて、バイクライフを楽しんでいただきたいと思います。
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